実家には帰れないと思った。



特に 実家の父は離婚には反対していた。


一度嫁に行ったなら 何があっても帰ってくるな、と言った感じだった。


母も 今まで旦那が何度となく電話で わたしが浮気していると吹き込まれていたのを

信用している感じだった。



そんな 親の所に戻りたくない。




凄く迷惑だと分かっていたけど・・・


一度目の離婚の時に 受け入れてくれていた友人夫婦宅へ向かった。





車が わたしに渡されたのは とてもラッキーだと思った。


旦那は 離婚の際には 車は売って現金を半分づつ分けよう と言っていたから。



実際 ○リバーなど 中古車買い取り専門店からマンションに何度も電話があり、


旦那が見積もりを頼んでいたと連絡があったりしていた。





首都高速を走り抜け


不安でいっぱいだった。



あまりにも突発的な出来事だったから・・・。



息子は2歳になったばかり・・・。



僅かな現金しかない。



こんなに突然 放り出されて わたしはどうしたらいいんだろう。


一時的に友人宅に受け入れてもらえても、


そんなに長居するわけには いかないし。




憎かった。


心底 旦那が 憎かった。





わたし一人なら どうにでもなる。




どうって事ない。





でも こんなに小さな息子が居るのに・・・。




後部座席で 泣きつかれた息子は チャイルドシートに包まれながらスヤスヤと眠っていた。




いずれ 離婚は 考えていたけど


こうまで突然だと・・・



わたしは この先 一人で息子を育てていけるんだろうか?




息子の為に 引っ越し資金が集まるまで待ってくれと言う わたしの申し出を無視した旦那。


怒鳴りあっている わたしたちの横で せめて朝まで息子を寝かせてあげて欲しいという


申し出を断って無理やり追い出した旦那。



憎かった。



息子の事より 自分の気持ちが優先なのね?







死ねばいいのに・・・・。








何度も 何度も 心の中でそう思った。






この憎しみは 一生消す事が出来ないんじゃないかと思うほど


強く ドロドロと わたしの心の中で 渦巻いていた。






友人宅に着いたのは 朝4時半ころだった。


とりあえず、そのまま リビングのソファーで息子と寝かせてもらったんだけど


当然 わたしは眠る事が出来なかった。