わたしはホントに腹が立っていた。


当然レイコを連れ去った男もムカつくけど、

レイコもレイコだ。


わたしが携帯持ってるんだから、

連絡の一つも入れてもいいじゃないか。



何かあったんだろうか・・・。



一番の可能性は、

二人でホテルに消えたんじゃないか・・・。



そして二人でホテルで寝てしまったんではないか・・・。



そんな風に想像すると腹が立ってくる。



別に男とラブホにしけこむのがうらやましいわけじゃない。

わたしたちは ひたすらレイコが帰ってくるのを待っている身だ。



帰りたくても帰れない。


そんな状況を分かっていながら連絡の一つもなしに、

戻って来ないことが腹が立つ。




もう、帰ろう。

もう、知らない。




わたしの車に乗っていた男二人が、

わたしに2000円を出して

近くの駅まで送ってくれと頼んできたので

仕方なく2000円を頂いて送ってあげた。





そのまま わたしは高速に乗って本当に帰った。




K子「本当に帰るの・・・?

レイコ、ポケベルも財布も この車にあるのに・・・

大丈夫かな・・・。」




わたし「知らない・・・。

朝まで待ったし・・・連絡もしないで戻らないレイコが悪い。」





K子「・・・うん。」






家にどんどん近付くに連れて不安になってきた。

財布も持ってないレイコ。

あの男は ちゃんと高速で30分、一般道なら1時間掛かるレイコの家まで送ってくれるのだろうか。



どうして何の連絡もくれないのよ・・・。



先にK子を家に送っていって

自分の家の近くまで来たところで

携帯が鳴った。



レイコからだった。




レイコ「ごめんね~~~~

今どこ?

横浜? それとも帰った?」





わたし「もうすぐ家だよ。

散々待っても戻ってこなかったから帰ってきちゃったよ。」




レイコ「そっかー そうだよね~。

この馬鹿がさー ホテル行こうだの何だの しつこくてー

帰りたいって言ってるのに帰してくれないしー

あ、今送ってもらってる最中のコンビニー

わたしの財布 桔梗の車の中だよねー?

財布の中に桔梗の携帯ナンバー入ってて

暗記してなかったから、

桔梗の実家なら暗記してたから今 お母さんに携帯ナンバー聞いて電話したの。

心配かけてごめんね~・・・」





わたし「そうかー

携帯番号分かんなかったか~

でも無事に生きてるなら良かったよ(笑)

何かされなかった?

・・・・ヤったの?」





レイコ「はぁ~?

勘弁してよ~ こんな奴とやんないよ~

本当に ぶっ殺そうかと思うくらいしつこくてー

皆に迷惑かけた代わりに うちまで送るっていうからー

ま、当然だけどー

てか、財布とポケベル取りに桔梗んちに寄るね♪」







とりあえず、無事で良かった・・・・。

レイコは やったらヤったとすぐに言うオンナだ。



ヤッてないと言うなら レイコの言う事を信じよう。



きっと あのオトコが レイコに惚れこんで

レイコを離したくなかったんだろう。



そんな場面をいく度となく見てきたから。





それからは わたしは友人たちの間で

友達をヨコハマに置き去りにして帰った女と評判になった。





いつ帰ってくるかも分かんないのに

置いて帰ってくるしか なくね??