薬袋 善郎
英語リーディングの秘密
 
 
 
 
 

 今回の目標はむろん、Part2を通読する、でした。

 それもちゃんと薬袋先生のお申し付け道理に、

 

 ・単語の意味をつなぎ合わせて適当な文意をでっちあげない

 

 ように、じっくりと構造を吟味して、訳出に気を使いました。

 時間にも糸目をつけません。

 

 15問の問題をなんとか終えた今ですが、まだまだ若輩、

 時には「なるほど、そうだったのか!」に自力で到達できましたが、

 時には言葉も単語もしくみも分かっているはずなのに本当の意味に到達できませんでした。

 

 次に読むだろう「真実」「精読講義」では全勝を目指したいところです。

 

 そんな私がひっかかった二問を取り上げてみたいと思います。

 

 ⑭

 the rules were so heavily tilted toward defense that, when, very occasionally,

a goal was scored, the situation that set it up seemed accidental.

 本当はもうちょっと長いです。先頭が大文字でないのはそのため。

 

 ⑮

 they found only 20 people left in the 350-bed facility, raising fears that

 patients had fled, taking the virus with them. 

 これも本当はもう少しあります。

 

 

 
 
 
 

 お解き遊ばされたでしょうか。

 
 

 

 
 

 そもそもなんで直訳とか意訳とか言う言葉が存在するんだろう、と

 こういう問題を解いていると考えざるを得ません。

 

 一つの言葉は他との言葉との関係で定義されると思っている私にとっては、

 日本語と英語の単語が一対一対応しているという考え方は不当に思えます。

 

 辞書は、単に言葉の色んな局面での使われ方の指針を示しているのではないでしょうか。

 そう考えると直訳はとても不当な感じがします。

 

 恐らく、問題を解かれた方も同じような感慨を持たれたのではないでしょうか。

 
 
 
 
 

 the rules were so heavily tilted toward defense that, when, very occasionally,

a goal was scored, the situation that set it up seemed accidental.

 

 一、

 ルールが守備にひどく傾いていたので、ごくたまに得点が入ったときも、

 それを引き起こした状況は偶然のものにしか見えなかった。

 

  set it upは it を引き起こすということですが、itはthe situationですね。

  で、今見るとなんでもないように思えるんですが、

  果たして「ルールが守備にひどく傾いていた」とは何なのか。

  

  これはサッカーについて書かれた文章なのですが、実際のサッカーを思い起こして見ます。

  しかしどうしてもルールの比重が守備について多いという状況が想像しにくい。

  オフサイドはありますけど、コーナーキックやFK,PKもあるし、

  むしろ攻撃側に有利なんじゃね?と思ったときにようやく謎が解けました。

  つまりルールがひどく守備側有利になっていたということだったんですね。

  

  そうなると後の文章へもすらっと繋がりますね。

 

 二、

 ルールがひどく守備側有利になっていたので、ごくたまに得点が入ったときも、

 それを引き起こした状況は偶然にしか見えなかった。


  日本語だったらレトリックで済まされるところでしょうが、

  意味が分かっているから出来ることです。

  翻訳の場合、真意を掴んでいるかどうかは死活問題です。

  二、の段階まで分かって、恐らく初めて一、の言葉を使うことが許されるのだと思います。

 
 
 
 

 they found only 20 people left in the 350-bed facility, raising fears that

 patients had fled, taking the virus with them.

 

 一、

 彼らは350個のベッドがある施設に20人しかいないことを発見して、

 患者がウィルスを持ったまま逃げたという恐れを募らせた。

 

  常に指示語が何かを考えることから始めましょう。

  まずthemは誰か。もちろん患者 patients ですね。

  ウィルスを持つ、というのはもちろん物理的に持っているのではないですから

  感染している、というのが適切でしょう。

 

  raisingとtakingはともに分詞構文ですが、それぞれ何に掛かっているのか。

  左から右に読んでいけば分かるとおりですが少し混乱します。

  takingは患者、それは内容からも判断できますが、それではraisingは何か。

  S raise fears that ~ で、Sが~という恐れを駆り立てる、と言う意味になりますが

  じゃあSはなんなのか。

 

  冒頭のtheyは医者のことです。患者ではありません。

  医者かどうかはともかく、逃げたらしき患者でないことは文章内で分かると思います。

  そうなるとSは医者なのでしょうか。しかし医者が恐怖を駆り立てるというのはおかしいです。

  恐怖を感じられる主体は医者しかいません。

  とするとここは、Sが医者に恐怖を感じさせる、という関係が見えます。

  ならば恐怖の原因はなんなのでしょうか。

  only 20 people left in the 350-bed facility という事実に他ならないでしょう。


  そういうことで一、の訳文が出来上がりました。

  意味じゃなくて構文がめどいパターンでした。

 
 
 
 

 とにかく色んなものが複雑に絡み合っているのですから、

 単語から→仕組みにアクセスするにしても、仕組み→単語の順でアクセスするにしても、

 ちゃんと両方をやらなくちゃいけないということでしょう。

 多分文法的に最初に処理した方が正確性は高いと思いましたので、当分そのようにやろうと思います。



 英語リーディングの秘密でした。

 なんとなく英語を読んでそれなりの得点が取れている人にお勧めの本です。

薬袋 善郎
英語リーディングの秘密

 大学受験なんて過ぎ去って幾星霜、

 現代文が専門ながら、英語を教える機会もあったりします私ですが、

 専門ではないものですから読めない文章とか出てきたりすることもしばしばあります。



 (困ったことに設問つきの文章であれば解けてしまいます。

 もっともそうでなくば教えるなどもってのほかでしょうが……)


 英語がなまじ出来る人間ともなりますと、かえって体系的にやり直すのが難しいものです。

 場当たりに覚えていくのもそれはそれでよいかもしれませんが、場当たりですから定着が不安です。


 そこで使ったことの無い参考書を用いて再び基本から勉強してみようかしら。

 と思い立ちて部屋の中から引っ張り出してきたのが本書でした。



私が家庭教師をしたときはこれを用いて講義をしたのでした。

 その際に暇を見つけてPart1(講義がPart1、問題がPart2)を読んできたのですが、

 結局Part2まで行けなかった覚えがありました。



 体験談から申しますとFrame of Reference(FoR)は頭から入ると却って混乱するかも(^^;

 準動詞とか述語動詞とか、単語の名称を覚えるところから入るのもちょっと難点でした。

 既に分かっている我々は「ああ、あれがそうなんだ」と発見することが出来ますが、

 分かっていない子は、動きと型を覚えるのと平行して難しい述語を覚えなくちゃいけない。



 私の教え子も最終的に文章の型を覚えるところには至りましたが、

 恐らく「準動詞って何?」って聞いたら答えられないと思います。

 まあ少し想像力があれば、動詞に準ずるから修飾の働きをするんだ、って分かるでしょうが。



 実は私は今「英文解釈教室」を例文飛ばして通読する、という遊びをしているので、

 基本事項は二重の確認になりました。(まだ半分くらいまでしか読み終わってませんが)

 その上で、FoRのメソッドを考えて見ますと、

 品詞に番号をつけて判断する(=返り読み)というのは本当に出来ない子が、あるいは

 複雑な文章に出会ったとき、じっくりと吟味するのにはいいなあと思いました。



 しかし始終それをやっているわけにも行くまいし、

 図示するという方法からはさっさと脱却せねばなりません。



 (と言うのも薬袋メソッドの基本は英文を読むときの頭の働きを明らかにするですから

  その意味ではこの上なく正統です。私たちは普段表示されているような選択図表を意識

  してはいませんが、間違いなくそれに則ってif-then式に判断をしているはずです。その

  判断枠組(FoR)を標示することと、使用することはまた別次元の話ということですね。

  代ゼミの富田先生なども同じく動詞の数を数え上げる人だった覚えがあります。

  数字を書いている(表図)内は入門、書かずに同じ動きが出来るようになれば皆伝ですね。)




 家庭教師の反省としては、レーベルとしての用語なんて覚えなくて良いから、それよりも

 実体の言葉を用いて、こういう感じのはこういう機能だ、と覚えさす方が重要だということでした。

 それが出来れば逆引きで用語を覚えるのはむしろ簡単になるでしょう。


 長くなったので次項へ。