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<東日本大震災>定置網漁再開へ 秋のサケ漁目指し…釜石
津波で被害を受けた小白浜漁港。損傷を免れた漁船が操業再開を待つ=岩手県釜石市唐丹町で2011年4月28日、五十嵐和大撮影
 東日本大震災の津波で漁港や漁船が大きな被害を受けた三陸地方で、岩手県釜石市の唐丹(とうに)町漁協がいち早く今夏にも、定置網漁を再開する方針を決めた。再開の妨げになっている海中のがれきを大型連休明けにも県が撤去するなど、県や市も秋のサケ漁に間に合うよう支援する。養殖漁業は壊滅状態で、それと並ぶ柱である定置網漁の復活は三陸の漁業再建への糸口となりそうだ。

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 唐丹町漁協の母港・小白浜漁港では、大小470隻の漁船のうち無傷で残ったのは10隻のみだった。だが、主に定置網漁に使う7隻に限ると、2隻を失ったが残り5隻の被害は軽く、そのうち大型船3隻を青森市の造船所で修理中。震災時は夏から冬が中心の漁期を外れており、定置網は沖合の漁場から引き揚げて倉庫などに保管されていた。一部が津波で流失したが、大半は回収できたという。

 漁港周辺は急峻(きゅうしゅん)な地形で、高台に住む組合員もいた。津波による犠牲者は2人で、他地域に比べ少なかったことも再開の力になっている。また、県内沿岸の定置網漁場を順次、水中音波探知機(ソナー)で調査中の県水産技術センターによると、24~27日に調べた唐丹湾付近の被害は極めて軽かった。

 唐丹町漁協の上村勝利組合長は「養殖の再開には1~3年はかかり、その間を暮らしていく方策を考えなければならない。国の動きは鈍く、見切り発車でも再開を目指さなければ」と意欲を語る。市の担当者も「国の被害査定を待たず、できる限りの支援をする方向で県や国と調整している」としている。

 三陸沿岸の漁業は、サケやサバの定置網とワカメやホタテなどの養殖が二本柱。釜石魚市場によると、10年度(3月11日まで)の水揚げ約27億1000万円のうち、定置網が約15億9000万円と約6割を占める。市内では、釜石湾、釜石東部の両漁協にも使える定置網や大型船があり、市漁協連合会長でもある上村組合長によると、両漁協も再開の意向は示しているという。

 大震災では、収穫期を迎えた養殖ワカメが大打撃を受けた。沖合の海中のがれきを巡っては、災害復旧などを定めた明確な法律がなく撤去が遅れている。【五十嵐和大】



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