こちらも株に続き、全日本企業振興共済機構のお客様でやらている方の多いものです。

投資信託とは、投資資金を集めて、その資金で株式や債券などに投資し、その成果を投資家に分配する金融商品です。投資家の資金を集めて運用する仕組みを総称してファンドといいますが、投資信託はそのなかでも一般投資家向けの公募型のものが主流を占めていてファンドの中では一般に最も馴染みの深いものとなっています。

 

投資信託には、契約型投資と、会社型投資という2つ形態があります。日本では契約型が主流です。

 

契約型では信託という制度が利用されます。信託とは特定の資産の管理を信託銀行などに委託する制度です。投資家の資金は、この信託契約に基づき、信託銀行の信託口座で管理されます。

 

この資金を株式や債券などに投資して運用するわけですが、その運用方針を定めるなが運用会社(投資信託委託会社)です。実務的には、資産を管理している信託銀行が運用会社の運用指示に従って取引を行います。このように運用方針の決定と資産の管理が切り離されていることで牽制が効く仕組みとなっていて、投資家の保護が図られています。

 

投資信託は多くの投資家の資金をまとめて専門家が運用し、その結果を投資家に分配する仕組みですので、一般の投資家には大きなメリットがあります。

多数の銘柄に投資する分散投資には安定した投資収益を期待できる効果がありますが、それはまとまった資金と専門的なスキルが必要であり、一般の投資家にはなかなか実現できません。投資信託を購入することによって、そうした専門スキルに裏打ちされた分散投資の効果を享受できるのです。

 

こうしたメリットにより投資信託は「貯蓄から投資へ」と言われる投資促進策の切り札とされてきました。現在では主力の公募投資だけで78兆円の残高を有しています。ただしこの数字は1590兆円に上る家計資産のごく一部に過ぎず投資先進国の米国と比べるとかなり低い水準にとどまっています。

 

投資信託は投資家保護の仕組みや専門家の運用スキルを利用するためのコストとして、運用報酬や管理報酬が差し引かれます。十分な運用成績を上げれない投資信託ではこの手数料負担が大きく効いてきます。

 

また購入時や解約時にも手数料がかかるのが一般的です。そのため、こうした手数料を獲得するために投資家に短期での売買を勧奨することも少なくないといわれており、投資家が安定的な投資成果を享受するという本来の投資信託のメリットが必ずしも活かされてこなかった経緯があります。

 

結局「専門家に運用を任せる」投資信託についても、適切な投信を選ぶという”目利き”力が必要だといえます。投資信託には他の金融商品にはないメリットがあるわけですから、それをうまく活かせば、一般投資家の主力投資商品として成長する大きな潜在力があることは間違いないでしょう。

 

 

全日本企業振興共済機構

栗原 綾乃