小説を書くという作業は僕にとって恐ろしく楽しい作業だ。

僕の生活が変わった時期、というのはおそらく9月頃からだ。
急に読書を始めた。
それも、村上春樹から。今まで彼の作品はノルウェイの森で、緑とワタナベが火事現場を見ながらキスをする場面までしか読まなかった。

それも高校生のとき。

高校生までの僕は、山田悠介から東野圭吾へとエスカレーター式に読んでいった類の人間で、
設定命!過程のハラハラ感命!ラストのどんでん返し命!!とか、そういう作風を好んでいたので、多分当時の僕は村上春樹の何が楽しいのかわからなかったんだと思う。


それでも文学部に入って色んなアメリカ文学をつまみ食いする度に、好きな作風が変わっていった。
そして、ようやく(世間よりはかなり遅め)村上春樹を読み始めた。

そこからの話は早くて、
一週間くらいで、ノルウェイの森、スプートニクの恋人、アフターダークを読み、
難解なラストに唸りながらも、次の作品をーー!といった感じに、ある種麻薬的に本を読んでいた。

今までは週に5本はみていた映画はこの時期月に2本とかにまで落ち込んでいた。
単純に映画より小説を優先させたというだけの話だ。

村上春樹の短編にまで手をつけて、ある程度ひと段落すると、今度は小説を書きたくなった。

本を読んで、そして今度は自分が書きたくなる、というのは自然の流れで、まさに僕もそれに違わなかったのだ。


それで、3つくらい小説を書いた。
全て、それぞれ直前に読んだ作品に影響されてるから文体と作風がバラバラ。
バラしてしまえば、「未来からきた嘘つきな俺と僕」は、村上春樹の影響。
「フライングエッグストーリー」は、ライ麦畑でつかまえてのサリンジャーの影響。
「煙に巻かれて」は西村賢太の影響。


そういうわけで、小説を読む行為は、書く行為に直結してしまっている。

だから僕は最近また小説を書いているのだが、今回はおそらく長編になるはずだ。
初めての長編小説。
まだ5000字だけど、ラストまでぼんやり頭に浮かんでるから、それを文章化するだけだ。

それで、どっかの賞に応募しようかな、とか思ってる。
僕の今までの短編は、長さが中途半端すぎて応募する対象がなかった。

新人賞というのは大体8万字~20万字なので、相当書かなきゃいけないんだけど、多分今回はイケる、気がする。

ちなみに前回3万字くらいまで書いていたものは途中でポシャってしまった。
そういうこともある。


なんとまあ、自分がなんで書いてるのかわからないし、なんで賞まで目指そうと思ってるのかわからない。不思議なものです。