- ミュージック・フロム・バズ・ラーマンズ・華麗なるギャツビー/ユニバーサル インターナショナル
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ニック(トビー・マグワイア)が暮らす家の隣に建つ、ぜいを凝らした宮殿のような豪邸。ニックは、そこで毎晩のように盛大なパーティーを開く若き大富豪ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)と言葉を交わす仲になる。どこからやって来たのか、いかにしてばく大な富を得たのか、なぜパーティーを開催し続けるのか、日を追うごとに彼への疑問を大きく膨らませていくニック。やがて、名家の出身ながらも身寄りがないこと、戦争でさまざまな勲章を受けたことなどを明かされるが、ニックはこの話に疑念を持つ。 (シネマトゥデイ)
★単なる純愛ラブストーリーではない
いよいよ「華麗なるギャツビー」について書きます。
去年からずっと公開されるされるといわれながら先延ばしにされ、今年の六月公開となった作品です。
そして原作はF・スコット・フィツジェラルド。
このことが何を意味するのか。
私にとってこの記事を書くことにはそれなりの勇気が必要とされました。
なぜならば、この映画について書くことは、原作の小説についても書くということになるから。
原作はアメリカ文学最高峰の作品といわれており、英米文学を専攻してる私にとって、この映画の記事を書くことは並大抵の気持ちではできなかったのです。
と、まぁ自分勝手にハードルを上げてきたわけですが、ついに書くことにしました。
では、内容に触れていきます。
もちろん私は原作を読んでから映画を見に行った人のうちの一人なんですね。
それで、よく映画化されるときにいわれるのが、「原作のほうがよかったよ」という言葉。
たしかに二時間の枠に納めなくてはならないために、その点映画は非常に不利なわけですが、この映画に関してはむしろ利点のほうが多かったのではないかと思いました。
その理由の一つとして、いわずもがな、あの豪華絢爛たるパーティーシーン。
これは素晴らしかった、本当に素晴らしかった。鳥肌が立ちましたね。
今までのギャツビーの映画化作品も、二作ほど見たんですが、月とすっぽんです。(2001年Ver.なんて、本作品を見た後だとお通夜かとおもってしまうほど地味)
これが僕にはドハマリでした。さすがはバズ・ラーマン監督といったところか。
それでもこのシーンは賛否両論あるみたいです。
たしかに気持ちはわかるんですね。舞台は1920年代のはずなのに、あんな度派手なパーティ。そしてバックミュージックにはクラブ調の音楽。ヒップホップまで流れる。
古典文学作品に現代文化要素を詰め込みすぎたという点。
わかります、わかるんですけどそこまでリアルな要素を追及する必要がありますかね。
きっと作品全体の雰囲気がそんな感じだから、パーティーシーンがそこまで浮いたように感じなかったと思います。
だからこその映画化じゃないですか。いちファンとして非常に楽しめるシーンでしたね。
もうひとつ、この映画の中で好きなシーンを上げると、やっぱりシャツ投げでしょう。
なんでしょうね。今思い返すだけでも泣けてきます。音楽が卑怯かと思うくらいに素晴らしいですし。
あの宮殿やら、車やら、宝石なんかよりもなによりも、シャツがギャツビーの成功を象徴的にあらわすなんてこんなにくい演出ありますか。彼の人生を通してのカタルシスですよあのシーンは。
さて、この作品の核心についてですが、この作品は決して単なる純愛ラブストーリーではないということです。そのことについて考えるきっかけを与えてくれるのが、ニックのギャツビーに対してなげかける最後の言葉。
あの言葉についての解釈は人それぞれでしょうが、私は「価値観」というものに考えさせられましたね。
ニックは作品を通して、お金持ちに対して、なにやら冷めた視点を持っていました。
それは、トム・ブキャナンに対しても、ギャツビーに対しても。
「自分とは完全に考え方が違うんだ、金に力を言わせて毎週あんな度派手なパーティを開くなんてね」と、ギャツビーに対しては完全に一線を引いた付き合い方をしようとしていたはずです。
しかしながら、彼がどうやらお金というものに対する価値観がほかの金持ちの人間とは違うということに気づき始めるんですね。
ギャツビーがニックに心を開いて、内面を打ち明けていくたびに、ニックも次第に彼に対する印象が変わっていきます。そして、最後にあの言葉。
見終わった僕たちの心には、作品内でのニック同様、余韻とともにギャツビーの姿が何度も反芻されるのです。たしかにギャツビーのデイジーとの純愛はせつなく素晴らしいものがありますが、あくまでもそれはギャツビーの印象を際立たせるストーリーなのであり、決して、この映画のメインの要素ではないはずです。
だからこそ、この作品のタイトルは「The Great Gatsby(華麗なるギャツビー)」なんですよ。
自分の心に残ったギャツビーを思い返して、何時間も感慨にふけることのできる作品だなと思いました。