決勝戦 ヘレナVSキリカ | イモの妄想神姫日記的なもの

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長く続いた大会も、この決勝戦を持って遂に終わる。
高火力な武装の数々と強力無比な剣術で勝ち進んできたヘレナ。
対するは一騎当千の戦人、キリカ。
互いに数々の強豪を破ってきた。

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「、、、ここまで来たんだ。優勝はもぎ取らせてもらう」

「そう簡単にはいきませんよ。私だって、負けるわけにはいきませんから」

対峙する大きさも影もまるで違う二人。決勝を飾るステージはバトルロンドの代表的ステージ、シティ。障害物もなく、どんな神姫も常に宙に浮いている。しかしそれでいて地上のように行動することができる、正に正々堂々闘うための場である。

Ready ?
Go !


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ヘレナの神速の一撃が二門のレーザーライフルとして放たれる。強烈な閃光がステージの端から端までを切り裂くように横切る。

「っ!?」

そう、閃光は横切った。キリカは更に速く、空中を舞っていた。
振りかざすはキリカバイラウザードライバー、改造強化されたロケットハンマーが落下の勢いを加算して振り下ろさせる。
だが、ヘレナはその重く、強烈な一撃をスラスターを噴射させることでかろうじて避ける。

「、、、避けたか」

衝撃を殺しきれずハンマーが勢いよく回転する。それを掴み直し、キリカは構えを継続する。

「接近戦がお望みならば……!」

天使の手に握られる二振りのジークリンデ。バチバチと放たれるエネルギーは、明らかに通常のそれとは異なっていた。

「この距離も!  私の距離……!」

極光を手に踊り出るヘレナ。その強化された大剣の一撃をうければ、通常の神姫ならばひとたまりもないだろう。

『ストライクベント』

「、、、ドラグ、クロー!」

キリカはハンマーを弄っていたかと思うと、瞬く間に武装を転送する。
腕に装着されたものは、黒い竜の頭部を模した手甲。
迫る大剣を近づけまいと、その竜頭の口から、青く、そして黒い炎が放たれる。
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……このっ、切り裂くっ!」

しかし突貫は止まらない。炎を切り裂き、キリカへと迫る。あと一振りでキリカは割かれるだろう。

「フッ、、、その程度か?」

炎に紛れ混ませた服腕が持つハンマーが大きく振り上げられる。完全に不意をついた一撃。スラスターを作動させる暇もなく、鈍器がヘレナの胸を強打する。
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後方へ吹き飛ばされるヘレナ。大型の武装が床に叩きつけられる音は、とても重かった。おそらく今の衝撃で使えなくなったウェポンも多いだろう。手にしたジークリンデも、既に凶悪な程にほとばしるエネルギーは保てなくなっていた。

「まだまだ、これから…」

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ジークリンデを捨て、二振りのレーザーソードを構えるヘレナ。疲弊していようともその姿からは揺るぎのない勝利への執念が感じられる。

「いくぞっ!」

ハンマーを振りかざして突貫するキリカ。だがヘレナの大型のレーザーソードは軽々とハンマーを弾き、もう一振りのレーザーソードがキリカ自身にも深いダメージを負わせる。

「くっ、、、」 

剣戟に弾き飛ばされる勢いに身を任せて距離をとると、キリカバイザードラウザーを操作する。

「終わりです」

 

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ヘレナはそう呟くと、SLUM-ハイマニューバAIミサイルを発射する。高速に接近するそれはキリカへと一直線に猛進する。
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『アドベント』

 

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しかしそのミサイルは青黒い炎に焼かれ、粉々になる。

「これはっ…!?」

炎を吹きだしたのは黒龍だった。分類は、支援機といったところなのだろうか。

その黒龍、ドラグブラッカーは身体をうねらせキリカの背後へとつく。

 

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「反則になるかと思ったが、、、大丈夫みたいだな」

 

「……そろそろ、終わりにしましょう」

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ヘレナは武装を変形させ機動性を上げる。

キリカは黒龍を背に、構えをとる。その身体は徐々に浮き上がっていた。

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『ファイナルベント』

黒龍はキリカを取り巻くように旋回して背後に回ると、その咢から炎弾を吐き出す。

「はあああああああああああああッ!!!」

黒い炎に包まれた跳び蹴りをヘレナへと繰り出す。

対するヘレナも剣を居合のように構え、高速で突っ切る。

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お互いの最強の攻撃が交差する。



「くっ…」

 

うつぶせに崩れさるヘレナ。そして……。

 

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「ふっ、、、」

 

キリカは満足気に微笑むと、地上へと墜ちていった。

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交差の瞬間、ヘレナは武装をパージすることによってダメージの大部分を受け流したのだった。

 

試合終了のブザーが鳴る。勝負は決した。

優勝は、ヘレナだ。

 

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ヘレナ WIN !