階段



今の住宅は、ほとんど2階建てであるため、ほとんど階段がある。

設計時にこの階段をどこに配置するかで平面プランが決まってしまう。

今の自分なら、話を聞いて(この人のプランだと階段はここでしょう)と頭の中で考えられるのであるが、若い頃は階段の事で頭を痛めていたのである。

さて、古い家(築30年前後)での階段はほとんど直階段(ストレートに上るやつ)で造られている。

そして、ほとんど玄関付近にあることが多い。

ほとんど急なやつで、13階段である。
(13階段は死刑台に登る階段の段数が13段であるため不吉だと言われているのです。)

これははっきり言って大工さんが「めんどう」だったからであろう。

施工効率を考えると、単純な階段の方が良かったためである。

これが、20年位前から設計の方でお客様の意見を聞くようになって、廻り階段なる物が出てき始める。

タタミ2枚(1坪)のスペースで13段ではあるが、廻りながら上るのである。

この廻り部分が大工さんを苦しめるのである。

図面を書くのも難しいのだが、いざ造るとなると尚の事難しいのである。

大工さんが手間受けといって、一現場いくらで契約していると、この廻り階段は嫌われるのである。

やがて時代はバリアフリーの方向に進む。

階段は踊場付の15階段へと進化する。

これはもし階段でこけても、8段目の平たい部分で止まるように設計されている。

この時代になると、階段もプレカット(プレとは事前にという事で、事前に加工するという事)になったので、大工さんは組み立てるだけになってしまった。

ある意味、考える事が無くなってしまったのだ。

昔は設計者は「階段詳細図」が書けると一人前。

大工さんは「階段を納められたら一人前」と、一つの目安になっていたのですが・・。

今やプレカットやCADのおかげというか、個人の能力が低くなっている事は否めません。

今やワイド階段やリビング階段など、お客様の要望も高くなっています。

階段をどうするかで家の設計が決まってしまうと考えていいでしょう。

「気」の世界で言うと、玄関ドアに向かって下る階段はよくないそうです。

まぁ、女性の方がミニスカートで下りてこられると玄関で待つ人は目のやり場に困る事を考えると、あながち間違いではないでしょう。

たまにあるんです、そんな設計の家。

「たかが階段、されど階段」

階段とはそんなもんです。

滞在時間は短いのですが・・