例えば、シントレで「鼻見」の練習が少し進むと「ものの見方を変える」だけで、首肩背中のこりを減らしたり、身体全体を柔軟にすることができます。

それらは、特別に場所や時間を決めて練習するものではなく、通勤通学時にやればいいという簡便さです。

東京のＵさんが、恵比寿駅で鼻見しながら電車に乗ろうとしたら、電車とホームの隙間に人が落ち、電車とホームの間に挟まっているのが目に入ってきました。鼻見をすると、視野が広域になるので目に入ってきたようです。

そこから、景色がスローモーションになり

「非常呼び出しボタンは遠い」　「駅員は離れていて気付いていない」　「ドアのところで落ちたのではないので、気づいた人が少なく、ドアを止めている人もいないので、下手すると電車はそのまま発車する」

などの情報が順に入ってきたそうです。

そして、二人の男性が引き上げようとして失敗するところまでが目に入ったら、体が自然に動いて近づいて手を貸し、3人がかりになると呆気なく落ちた人をホームに引き上げることができたそうです。

そして一拍ののち、電車はドアを閉め発車しました。

誰もストップをかけておらず何秒か遅れたら、その人は大けがか、それ以上の事態を招いたかもしれないところだったそうですし、助けられなかったことがＵさんには、トラウマになったかもしれないと話されていました。

鼻見を練習する前とは、あきらかに景色から受け取る情報が違うから、咄嗟に行動できたのではないか、という指摘をＵさんにしたら、こんな話も教えてくれました。

実は、実家の土地で何年も解決しなかったややこしい問題が、鼻見をしてから考えたら、地域との関係その他の見え方や、とらえ方が全く変わり、思いついたアイデアで、よさそうな新しい弁護士さんを探して頼んだら、呆気なく揉めずに土地問題が解決したんだそうです。

はい、情報の取り方が変わると、反射反応行為行動が変わるという例です。

大学時代の友人で空手六段、という人にシントレを体験してもらいました。

普段やっている練習そのままに、「顔の中心で相手をとらえる鼻見」と「背骨の連動が起こるところに手のひらを当てる」を足しました。

何十年、毎日のようにトレーニングしている友人でも劇的に変わりました。「鼻見」で少年部の小学生たちの力みが取れるかもしれないとか、いろいろ取り入れられそうだという感触でした。小学生からシントレに馴染んだらいいだろうなと思います。

自分で自分の背骨に手を当ててから、蹴りの練習をしたら「空手人生で最高の回し蹴りができた」と言っていました。50代後半の年齢ですから、過去何万回何十万回蹴ってきた彼の「歴代ナンバーワン」の評価は嬉しいものでした。

その効果というのは、空手六段という彼が過去何十万回も蹴ってきた蓄積があったから起こります。40年前に空手4級だった（笑）私がやっても、そうはなりません。

「シン・トレ」は、あなたの過去の努力の蓄積がある事ほど、今伸び悩んでいたとしても、そこから芽を出す、花を咲かせる力があるようです。

子どもがやれば変な癖をつけないで伸びていき、大人がやれば、癖を外した奥にある実力が出てきます。

まだ体験のない皆さん、どうぞ、あなたに早く習う機会が訪れますように。
ただいま、そのための準備を大急ぎで進めています。

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