からだというものは、人の集まりにしています。

ある人が呼びかけても盛り上がらないのに、別の人が動くとみんなついていく。何をやるかよりも、誰が言うかというのが、成否を決めるところがあります。

背骨のひとつひとつ（椎骨）も、またそんな感じでありまして、大騒ぎするけど周りには影響がいかない骨、むっつりと動かない骨などいろいろ表情豊かです。

そういう中で、その骨が先頭に立って動き始めると（実際には配列は変わりませんが）背骨全体が連動し、身体が柔軟になるという椎骨があります。

シン・トレでは、その背骨に手を当ててもらったり、自分で手を当てたり意識を集めたりすることで、背骨の部分的な動きの偏りを補正して、連動性の高い癖のない動きを手に入れることができます。

そうなると、筋トレがいきなり二倍三倍の回数を疲労感なくできたり、ストレッチで今までよりも何割増しで、可動域が広がったりするのです。

その「先頭になって引っ張っていってくれる椎骨」というのは、「これがそうですよ」というのを一度教わると、少し練習すれば自分でも探していけるのです。

季節は春です。

厳冬期は、冷たい水をちびちび飲んで下さいと言っていた時期はもう終わりです。四季のある日本では、季節によって人の身体の焦点というものも、少しずつ変わります。

春は骨盤、肩甲骨、後頭骨という部分が順に開いていく時期です。開きが悪い人が、花粉症になるという説があります。
（私はそれに対して、絶対的に効果を上げる整体はまだできません）

ここ数週間、その整体ポイント、連動促進ポイント、つまり先は頭になって引っ張っていってくれる椎骨が、もっぱら肩甲骨の内側上の角の所に、9割の人の焦点が当たっています。

肩甲骨が「開いていきたいから、ここを押さえてくれー」っと言っているのです。

私の春は、花見より先に骨見でやってきたようです。そこに気の手当ができる人はやればいいし、習っていない人は、蒸しタオルを当てればいいです。

整体というのは治そうという技術ではなく、全体性を回復しようとする、身体の流れを応援していくものなのです。そしてその効果は、治そうとするよりも、時に大きくうねります。

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からだは人の集まりに似ていて