クライアントさんのお身体、特に首、肩コリの酷い人を診ていると、頸椎のアーチがなくなっている、所謂ストレートネックやスマホ首と言われる状態の人がとても多いです。

 

そして女性の方に多いのですが、首肩コリによる「頭痛」が出ている人が多数です。

余りの頭痛の酷さに脳外科等に診察に行ってしまう女性も多いようで・・・

診察後に先生から「あー、これ肩こりですね」と言われて安心して気が抜けるやら、少し恥ずかしいやら・・・

 

本人的に「たかが肩こりくらいで・・・」という気持ちなのでしょうね。。。

しかし、この「肩こり」「首こり」というネーミングに問題があるのだと思います。切迫感もないし、それほどの痛みのイメージもないし、どの程度の辛さか本人しか判らない、そんな点から「肩こり」くらい、となるのかと思います。

 

でも考えてみてください、いくら本人の感覚とは言え、脳の重篤な病気が隠れているかもしれない、という想いを持って脳外科の門を叩くのです。それほど痛いのです。それほど我慢ならないのです。怖くなって病院に行くのも仕方のないことです。

 

では、「肩凝り、首凝り」による頭痛のメカニズムを説明しましょう。

心臓は胸部の中心にあります。肩、首はそれよりも上部にあります。

そして重要機関である脳も最上部にあります。

 

身体の中で一番酸素を必要としている器官は脳なのです。その脳に新鮮な酸素を送るのは血液です。血管の中を通って酸素は脳内に運ばれます。通常の身体であれば問題なく酸素は血液に乗って脳内に運び込まれます。

 

ところが、「首凝り、肩凝り」の酷い人はどうなるでしょうか?

分かり易く例えると、脳内に通じる道路が肩方面と首方面で全面渋滞を起こしてしまっている状態です。

 

「凝り」という状態は、筋肉がギューっと縮んだ状態です。その中には血管やリンパ管が通っています。血管やリンパ管を道路に見立てると、凝っている状態は血液もリンパも非常に流れが悪い状態になります。道路で言えば工事中で片側通行のようなものです。

 

工事中の道をトロトロと走ったり、仕方ないから迂回してみたりして脳内に必死に運搬をしていきます。しかし、あまりにも酸素が少ないので「頭痛」という痛みの警報を本人に対して発している状況なのです。

 

「お願いだから放置しないで。お願いだから何とかして」と必死にメッセージを送っているのです。言葉を持たない身体や各器官は痛みや違和感などを使って会話をしてくれます。その会話を無視し続けると・・・怖いですよ。

 

頸椎のアーチがなくならないようにするには、パソコンでもスマホでも、適度な時間時間で休憩を挟むことです。そして目のケアを怠らずに。目薬やアイマスクでのアイケアも大切です。そして軽い運動やストレッチも効果的です。入浴も良いですよ!

 

ポジショントークになりますが、マッサージやもみほぐしも良いです。

しかし、お金が掛かるので毎日、という訳にはいきません。上記の方法で毎日のケアをして、それでも凝りが感じられたらマッサージやもみほぐしが良いでしょう。

 

何もしないで肩凝りや首凝りがある場合にはストレートネックが疑われます。

そして既にストレートネックと診断されている場合、疑われる場合には次の対処法があります。

 

テニスの硬式ボール2つを医療用テープなどで繋ぎ合わせます。繋ぎ合わせた2つのボールの窪みに首を載せて仰向けに寝転がります。そこから5分程度、寝たままの状態で過ごしてください。これを1日1回やってみましょう。早い人で1か月程度、普通は半年程度で頸椎のアーチが完成します。

注意点は「寝てしまってはダメ」です。キチンと時間を計ってやってみましょう。

 

人間の身体って本当に良くできています。良く出来過ぎているので、多くの人たちはケアもせず放置しっぱなしにしてしまうようですが・・・

一生に一回しかない身体、取り換えの利かない身体を大切にしたいものです。