千畳カールを訪れてから数年後の夏、

北アルプスの立山へ行くことに。

これも家族旅行だ。

 

立山は標高3015m。

信仰の山としても有名だ。

その山頂下の室堂平(2450m)は立山や周辺の山の

登山基地となっているが、バスやロープウェイを

利用して来れるため、登山をしない観光客も

多く訪れる人気の観光地である。

 

とうぜん我が一家も登山ではなく、

室堂平の散策や移動途中にある黒部ダムの観光が目的である。

 

長野側から専用のバスで標高1470mの黒部ダムへ。

険しい山中にある黒部ダムは人工物と自然のコントラスト

の景色として素晴らしく、ダム放水時の迫力は必見だ。

 

黒部ダム上を徒歩で抜け、

ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスと乗り継いで

室堂へ。室堂にあるホテルに宿泊し

翌日半日が室堂平の散策に充てられる。

 

翌日、ガイドの方から散策の説明を受け、2つの選択肢を提示される。

①室堂平の自由散策(高山植物観察)

②立山山頂への往復(自己責任)

 

②の選択肢に驚く。

標高差だけ見れば600mほどだが、

ホテル前から見える岩の塊のような山にに

ふらっと来た観光客が登れるとは思えなかった。

だが、数時間高原をブラブラするのもなぁ・・・と

思っていた自分は別の選択肢があることに惹かれて、

ガイドの方に詳しく聞いてみることに。

 

ガイドの方が言うには注意は必要で多少の危険はあるが

難易度としても、成人男性であれば初心者でも問題ないとのことだった。

 

多少の不安はあったが、結局自分と弟が山頂を目指すことに。

3000mを超えるということにも興味があった。

家族と別れ、広く整備されたようなゆるやかな登りを1時間ほど歩く。

やっぱり山はなぁと辟易しながらたどり着いた山頂直下の2700m地点、

残り標高300mで現れたのは

砂利から身長以上の巨石まで、大小の石が積み上げられたような

石の壁だった(そう見えた)。

 

同行している弟と無言で目を合わせると自分と同じことを

思っていると感じた。

 

いやいや、登れないだろぉ:(;゙゚''ω゚''):

 

                          3へ続く