もう ここにきて 7年 8年になるか
もう 70も近いというに
銅像を作ってくれと頼まれたわぁ
わしゃ
きめたぞ
智恵子や
山を下りて
里へ行くべェ
雪深い山も
春のせせらぎも
蝉のなく夏も
秋が来るまえに
二人で里へ下りるべェ
そのめェに
阿多多羅山
阿武隈川をいっしょに
眺めにいこうやぁ
あぁ
心配すなぁ
おんぶでも
だっこでも
乳母車でも引いて
連れて行くだにぃ
ふたりあるいた
十年そこら
おめェは まだ
52のまんまだ
光太郎は、晩年一人暮らしをしている
60を過ぎ約8年程 52で死んだ智恵子と 一緒に暮らしている。
まるで、ひとり芝居でもするかのように
二人で暮らしている
郵便やの証言では、なかでふたりで食事を仲良くする
笑い声が聞こえてきそうだと・・
晩年 湖畔に作った光太郎の銅像は
向かい合う二人の手の間に
夕日が、沈むそうだ
気を病み
尋常ではない 智恵子を連れ 手をつなぎ
歩く 参道
幸せは ここにあったのだと思う
生きていればこそ
手をつないで 一緒に、歩くことができる
この夏の草原に立つ木
「 樹下の二人 」 を想いおこした
