ウン十年前に「ワープロ時代」が到来、その後、パソコン、スマホ・・・とデバイスは変遷すれども、「自分の手で筆を握ってまっとうな文章を書く」という機会が日に日に減り続けている私達の生活。
その結果、私達日本人は「漢字は読めるんだけど、書けって言われるとちゃんと書けない」という事態がますます増加しているようです。
欧米人なら、スペリングが正しく書けなくなってきたりしているのかな。
加えて、社会人で多忙になったり加齢で目が遠くなったりすると、読むという機会も減ってきて、「これってなんて読むんだったっけ??」正しい読みがなさえ怪しくなってきたり。
正しく綴れない、読めない、ってなってくると、当然次にやってくる劣化の段階として。。。
「正確な日本語で美しい文章を書いたり話すことができない」というのが自ずとやってくるわけです。
つまり、自分の頭を使って思考を表現するという、人として最も知性と品格を問われる部分でのアウトプットがちゃんとできなくなる。
お馬鹿さんへの道、一直線になっちゃうんですな。
翻って通訳という「話してなんぼ」の商売では、正確な日本語であるのは大前提で、さらに豊富な語彙を巧みに駆使して、他人の発言の意味・意図を別の言葉で「どんぴしゃり」に表現するという、いうなれば言葉のアーティストであることが求められるのであります。
そして母国語が日本語である私達は、もしその母国語で美しい表現ができないのであれば、外国語でそれ以上の伝達能力があるはずもないと、同じ日本人の相手にはきっと評価されてしまいます。
であれば、仕事以外の場でも常に「正確で美しい日本語運用能力」を意識して話したり書いたりするというのは、あまりにも当然すぎる職業努力。
このブログをやってる理由も、そもそも文章を書くことや表現力に自信がなく、それを高めたいからというのが大きいのですよね、本当は。。。
そうやって考えていくと、親しい友人とくだけた日常会話している時やおふざけゴゴロを表現したい時ならまだしも、世間にウイルス汚染のように蔓延しているヘンテコ日本語やアホに聞こえる日本語を、自分から率先してわざわざ使ってビジネスメールを書いたり、お客様と話したりするというのは
「ご覧のとおり、私は低レベルな日本語の使い手なんで、通訳能力もせいぜいたかが知れてるんだよーん」とアピールしているのと同じ事になってしまうんですなあ。
前述のように、「アホに聞こえる日本語を話す」という行為はまさにウイルス感染と同じであり、変な日本語は巷で突如大流行するため、いつの間にか自分の語彙もじわじわと蝕まれ、かくいう自分が率先して使い広めていたりもするのです。心底恐ろしい敵なのです。
他人が使うのを聞いて鳥肌がたつのにも関わらず、自分も無意識に多用しているケース、というのは数限りなくあり、例えばその筆頭として。。。
(間違った語法で濫用する場合に限りますが)
「◯◯的な」
「~だとは思う」
「~させてください」
「~させていただく」
「~になります」
「~とかが」
「若干」「結局~」「なんか、~」「っていうよりも、~」「要するに~」「まあ、~」「そうですね〈全然そうじゃないのに〉」
分かっていてもついつい↑のような言葉を口にしてしまう自分を恥じて戒めている一方で、同業であるのにあったりまえのようにそうした表現を使ってる方を見てしまうと、とても哀しくなってしまったり。
・・・ということで、英語のみならず、さらに日本語の運用力を高めるための取り組みとして、とにかく読書をたくさんして、そして「これは自分の語彙に蓄積してパッシブではなくアクティブに運用したい」と思うようなステキな表現をピックアップしてリストにし、折にふれて見返すという作業を始めました。。。
そのほとんどは「読めるけど書けない漢字」と同様に「知ってる表現だけど、自分が話したり書く時にすんなりとはでてこない」というものです。
今日リストに追加したのは(恥を忍んで公開しますが・・・)
「気を揉む」
「四の五の言わない」
「急先鋒」
「危ない橋を渡る」
・・・などなど。。
こういういかにも「日本語らしい味のある表現」をいかに英語に訳すか、と考えることももちろん大切なのですが、おそらくそれ以上に大切なのは、こうした言葉が持つ「世界観」を心に蓄えておくことで、「今スピーカーは英語でまさにこの気持ちを語っている(たとえ英語ではイディオムではなくシンプルな単語を使っていても)」、という瞬間を汲み取り、どんぴしゃりの日本語で瞬間的に訳して表現する、というまさに「巧みの技」を習得することではないかと思います。
一方で私にとっては永遠に外国語である英語においても、イディオムを収集するのは大好きで続けていることなので、逆方向でも同じことがもっとうまくできるようになりたいです。
偉そうなことをつらつら書いているけれど、私のブログはいつもヘンテコ表現や誤字脱字で満載ですよね・・・これからちょこっとずつ気をつけて行きますです。