幸せな離婚~バツイチの選択・・・。 -27ページ目

幸せな離婚~バツイチの選択・・・。

両親の反対を押し切って結婚したけれど…。会社の倒産、DV、モラハラ、借金。経験しなくてもいいような経験をしたのち、やっと離婚。しかし離婚後もトラブル続き。でも、前向きな、幸せな離婚だと思っています。

アルコールは麻薬だ。


日本で認められている、合法な麻薬。


認められない麻薬は犯罪になるけれど、アルコールを飲んでも逮捕はされない。


ニコチン中毒っていうのもあるけれど、


煙草よりもアルコールを絶つことのほうが大変らしい。



社長は、そのアルコール依存症という病気だった。


このアルコール依存症というものは、よほどの精神力がないと自分だけで克服するのは大変らしい。


当然ながら、禁断症状は出るし、そもそもアルコールに頼らなくてはならない弱い人間だと自分で悲観してしまうことが多いらしい。


社長だって、まさかこんな若さで亡くなるなんて思ってもみなかっただろう。


奥さまだって。


でも、こんなお酒の飲みかたをされるかたは、早めに病院に行ったほうがいいと思う。


もしくは、ご家族が説得して、病院に連れて行く。



何かにとてつもなくショックを受けた時には、何かに頼りたいと思う。


それが、お酒・・・というのは自殺行為だ。



阪神大震災の時にも、仮設住宅で何人ものかたがお酒の飲みすぎで孤独死されたというニュースがあった。


(東北地方太平洋沖地震はどうなんだろう・・・。)



お酒を飲まないとやりきれない気持ちはわかります。


けれど、本人はアルコール依存症だと認めたくないかたが多い。


自分は弱い人間だと認めたくないんですね。


いえいえ、決して弱い人間ではありません。


誰だって、この病気になる可能性はあります。



ご自分、または身内にこういうふうなお酒の飲み方をされるかたがいらっしゃったら、早めに病院に受診してくださいね。


きっと克服できるはずなので。


アルコール依存症は、病気で亡くなることも多いですが、事故や自殺も多いそうです・・・。


人生80年。


せっかくなので、ぎりぎりまで楽しみましょ。

社長はここ数年、明らかにおかしかった。


もともとあまり話し好きではなかったけれど、ますます無口になり、顔はどす黒くなり、体は痩せこけ、目だけがギョロっとしていた。


素人目にも肝臓が悪いのではないかと思った。


奥さまはお酒は全く飲めず、お酒の知識もほとんどないし、性格的におおざっぱなので、社長の変化にはあまり気にしなかったようだ。


ただ、最近、社長は痩せてはいるけれど、お腹だけがぽっこり出てきていると話していた。


(・・・・・・これは、肝硬変の末期症状。腹水だった・・・。)



ある日、社長は、


『体調が悪いから今日はお店は休む。』


奥さまにそう言った。


奥さまはひとりでお店に向かい、終日、従業員のかたと仕事をこなし、夕方には自宅に戻った。


そして、玄関を開けて、見た光景・・・・・・・・・。



・・・・血の海だった・・・・・・・・・・・・・。



その血の海の真ん中に社長は倒れていた。



奥さまは最初は強盗事件かなにかと思ったらしい。


それで110番通報をした。


救急車も来て、社長は病院に運ばれた。


警察の取り調べもあったらしい。



結局、死因は


『食道静脈瘤破裂』


肝硬変が原因のことが多い病気らしい。



社長はたぶん昼ごろに、この 『食道静脈瘤破裂』 のため、吐血して、そのまま出血多量で亡くなったと思われるとのこと。


奥さまの悲しみは半端ではなかった。


『なぜ、具合が悪い主人を残して私は仕事に行ったんだろう?』


・・・いえいえ。


奥さまが悪いのではありません・・・・・・・。



社長はまだ50代の若さだった。


子どもさんはまだ大学生。



社長は人徳があり、おおむね周りのひとには好かれていたと思うけれど、一部、批判するひとたちもいた。



『お酒に呑まれるなんて、意志が弱すぎる。』


『子どもがまだ独立していないのに、アルコールに依存するなんて無責任。』



たぶん正論だと思う。


・・・けれど、それだけでは片付けることはできないと思う。


そもそも、お酒は麻薬なんだから。

取引先に、こじんまりした、アットホームな小売店がある。


社長と奥さま、それから従業員の女性ひとりの小さなお店だけれど、売上は驚くほどある。


社長はちょっとおいておいても、奥さまと従業員の女性の販売力が半端ではない。


ガンガン売るタイプではなく、お客さまは何となく買ってしまう・・・という感じ。


社長の奥さまも、従業員の女性のかたも、美人で品がある。


それも、大きな強みかも。



でも、社長には大きな問題があった。


仕事中だというのに、昼間からお酒を飲むようになっていた。



社長はもともと、超有名大学を卒業して、大手企業の研究員として勤務していた。


けれど、奥さまと結婚することになり、一人娘の奥さまの実家の家業を継がなくてはいけなくなり、将来を嘱望されていた会社を辞め、今の小売店の社長におさまった。


子どもにも恵まれ、お店も順調。


けれど、社長はどこか心にわだかまりがあった。


本当に自分がやりたいことは他にある・・・。



でも、自分は社長として、お店を切り盛りしなくてはならない。



そうしたときに、社長の身内にとんでもない不幸があった。



いろいろなストレスが重なったんだと思うけれど、社長はそれから片時もお酒が離せなくなった。


見ている周りから見たら、異常だった。


打ち合わせをしていても、飲み物はウィスキー。


イベント会場には常に日本酒を持ち込んで伝票を書きながら飲んでいる・・・。



みんな、おかしいと思いながら、あまり注意はしなかった。


(私たち取引先は、注意などなかなかできない立場だけど。)



社長はいつもお酒は飲んでいたけれど、いわゆる酒乱ではなかった。


お酒を飲んでいても、とても穏やかな立ち振る舞いのかただったし、仕事もやるべきことはきちんとやっていたと思う。



奥さまは、社長にやりたいことを我慢させてしまったという負い目か?それとも社長の心の中を思いやってか、社長の飲酒をとやかく言うことはなかった。



それが何年か続いたある日。


社長は突然、帰らぬ人となった・・・・・・・・・。