私は元彼との約束の場所に向かった。
元彼と約束をする場所はいつもと同じ本屋さん。
どちらかが仕事の都合等で少々遅れても、時間つぶしが出来るから。
元彼も私も読書好きだった。
私がほぼ約束の時間通りに本屋さんに着いたとき、彼は既に来ていて、なにやら難しい本を読んでいた。
『ごめん、待った?』
『ううん・・・。今来たとこ。』
うそばっかり・・・。
読んでる本、もう最後のほうだよ。
私は、元彼と別れる覚悟で来ていた。
でも元彼の姿を久しぶりに見たとき、胸がきゅんとした。
私たちは、いつもの居酒屋さんに行った。
いつものビール、いつものおつまみ。
元彼はいつもかつおのたたきやサンマを注文する。
私は、ホタルイカの塩辛とこのわた(完全に酒飲みのオッサン
)
ずっと他愛ない話をしていた。
仕事のこと、共通の友人のこと、最近の出来事・・・。
二人で笑い転げているうちに、私は元彼と別れてしまうのがとても淋しくなった。
いろいろな衝突があったとしても、なんだかんだいっても、7年以上もつきあってきた。
今までいろいろな出来事があった。
何度も喧嘩をした。
何度も一緒に笑った。
何度も愛してるって言ってくれた。(私も言った・・・。)
私のいろいろな面・・・。強いところや脆いところを元彼は誰よりもわかっていてくれていたし、私も彼のことはいちばん理解しているという自負があった。
私は元彼が嫌いなわけじゃない。
とても大事なひとなのに・・・。
思わず涙が出そうになった。
今日はこのまま、デートで終わっちゃおうか・・・。
そう思っていたとき、元彼はラッピングした包みを取り出した。
『これ、誕生日プレゼント。』
包みを開けてみると、スカーフだった。
淡い緑色で新緑の葉をモチーフにした、春の息吹を思わせるようなスカーフ。
『これで心機一転、できる?』
私は少し冷静になった。