私達は、市内のど真ん中に集合しました。
メンバーはあの飲み会のメンバー7人と彼達の先輩の合わせて8人でした。
彼はお兄さんから、みんなで乗れるような大きなバンを借りていました。
到着したのは、郊外の新しいテニスクラブ。
『やっぱりうま~い
』
友人達ははしゃぎまわっていました。
確かに彼は上手でした・・・。
しかも教え方もとても上手。
私はスポーツマンに弱い(笑)
スポーツに秀でてる人を見ると、とりあえず無条件に憧れてしまうところがありました。
そして、一緒にスポーツすると、結構相手の性格がわかるんですね。
マージャンなんかもそうかも知れないけど。
彼は、私達にはとても優しいテニスをしてくれました。
必ず相手の打ちやすいところにボールを返す。
どんなに左右前後に走らされても、それを常に心がけてるのがわかる。
(Tちゃんにはちょっと違うけど・・・。彼女は私達より断然上手でしたから。)
そして、相手がどんなにヘタでも(私のことです(汗))いやな顔ひとつしないで、根気よく教えてくれる・・・。
まさに理想的なコーチでした。
私は彼に対する認識がちょっと変わってきました。
女好きの軽いヤツじゃないのかな・・・?
『オイ!本気出すなよ~・・・。』
『お前らだって、大学時代はサッカーやら陸上やらやってたんだろ?それくらい、走れよ(笑)』
ちゃらちゃらしたとことは全くなく、彼の友達とは真剣にプレーする彼を少し見直していました。
彼の友達も、夜の飲み屋さんで見るより、ずっと健康的でさわやかでした。
まあ・・・楽しかったかな?
夕方になり、そろそろ帰ろうかっていうときに,
『俺の家ここから近いから、俺の家で、これから焼肉パーティしない?』
彼の先輩が言いました。
その先輩はすでに結婚していて、奥様と子どもさんがいらっしゃるとのことでした。
私の友人達は、
『もっちろん!!』
ふたつ返事。
私も、彼達の印象が変わったこともあり、まっいいか・・・。と思っていました。
そのときに彼の顔がちょっと曇っていることに気づきました。
もしかして、いやなのかなあ・・・。
私は、ひとりでコートに残ったボールを拾って歩いていました。
そのとき、彼が、彼の先輩に話しかけているのが聞こえました。
『先輩、俺、今日早く帰っていいですか?いちおう、焼肉にはつきあいますけど、いつものように長くはつきあえません・・・。』
『ど~してだよ。いつも泊まっていくじゃない。』
『実は明日親父の法事なんです・・・。』
そ~なんだ・・・。
彼のお父さん亡くなってるんだ・・・。
まだお若いよね・・・。
聞いてはいけないことを聞いたような気持ちになりました。