アレン・ネルソンさん | シングルママと不登校児のまいにち

アレン・ネルソンさん

アレン・ネルソンさんの講演を聞きに行って来ました。


アレン・ネルソンさんはアフリカ系アメリカ人。 海兵隊員としてベトナム戦争に従軍。 その時の体験から、帰国後PTSDに長い間苦しめられる。 現在は自分の体験を人々に語ることで本当の戦争の残酷さを伝え、平和を訴える活動をしている。


ベトナム戦争を体験した元アメリカ兵の話を聞くというのは、なかなか無い機会だと思って行って来ました。


ベトナム戦争...

私は、ベトナム戦争というのがあったということや、枯れ葉剤という化学兵器をアメリカが撒いたおかげでベトナムで沢山の奇形児が生まれているらしいということを、中学生の頃には知っていたような気がします。


ただそれは、なんとなくよその国の過去の出来事という認識だった気がするのです。


それが、実際は1964年から1975年までやっていた戦争だというのを知ったのは、大人になってからでした。


知った時はショックでした。 1975年までということは私が「8時だよ全員集合」を見てケラケラ笑ってた時、私と同い年の子供たちは、目の前で親を殺されたり、銃で撃たれたり、住んでいる村を焼かれたりしていたということです。


私はそんなことは全く知らずにのほほんと暮らしてました。 すぐ近くの国で、自分と同じくらいの年の子がそんな目にあってるなどとは思いもせずに。


しかももっと驚いたのは、その時アメリカの軍隊は日本の沖縄の基地から飛び立って行ったということです。


あんな悲惨な戦争に日本も加担していたというのが二重にショックでした。 ベトナムの人達に申し訳ない気持ちが湧き上がってきました。


中学校でも高校でも、歴史の授業でそんなことは習わない(だいたい近代史まで行かずに終わる)ので、特に興味を持たなければ、もしかしたらほとんどの人はやっぱり「過去のいつの時点かの話」というふうに漠然と思っているんじゃないでしょうか。


そんな、実は身近なベトナム戦争。 その戦争に行ったアレンさんは、講演で自分の体験したことを話してくれました。 軍隊に入ったわけ、ベトナムに行くことになって嬉しかったこと、ベトナムに行く直前の沖縄での訓練のこと、ベトナムで多くの人(お年寄り、女、子供も)を殺したこと、帰国してからの苦しみ、そこから立ち直るきっかけとなった出来事など。


どれも印象に残る話でした。 


講演後、私はアレンさんの著書にサインをしてもらい、握手をして帰って来ました。 暖かい手でした。


けど、帰る道々私は、なんで自分はああも簡単にアレンさんと握手などしたんだろうかと思いました。


長い間苦しんで、今は平和活動をしているとはいえ、過去には残虐非道の限りを尽くした人なのに、何故、笑顔で「ありがとうございました。」などと言えたのか。


何か自分が安易な人に思えました。


別にアレンさんを非難したいわけじゃなく、許す許さないとかではなくて、アレンさんに殺されたベトナム人の立場に立てば、握手なんか出来るだろうか、握手なんて出来てしまうのは結局、アレンさんがあれ程つらい思いをして語る過去の出来事を、「過去のことだ」と簡単に考えてしまっているからじゃないかと思ったんです。


そこにはもっと葛藤とか、あるべきなんじゃないかと...。


そんなことを思っている今日も、世界のどこかで戦争という名のもとに人間どうしが殺しあっている。


アレンさんが、日本の憲法第9条は、日本だけでなく世界にとって大切な意味のある憲法なのだと言っていました。 本当にそうだと思います。 アレンさんが経験したようなことがいつか地球上からなくなる日のために、けして失くしてはいけない憲法なのでしょう。


「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」―ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」 (シリーズ・子どもたちの未来のために)/アレン ネルソン
¥1,365
Amazon.co.jp

戦場で心が壊れて―元海兵隊員の証言/アレン ネルソン
¥1,365
Amazon.co.jp