「パッチ・アダムス」
パッチ・アダムスが言っていた言葉がとても印象に残った。
「死を恐れてはいけない。死は誰にでもやってくるもの。医者が最も大事にしなくてはならないのは、クオリティーオブライフであって、死を遠ざけることではない。」
誰にとっても死は怖いものだから、誰でも患者が死なないことに全神経を集中してしまう。 映画では出て来なかったが、死なないことにだけ力を注いだ結果が、機械につながれて一生ベッドで寝たままに生きる植物人間なのだろう。 でも、パッチアダムスは、本当に大切なのは生きている今の命の質を高めることだという。 本当にそうだと思う。
倫太郎が小さい頃、たった5日間だけだったが手術のため入院したことがあった。 その時、小児病棟には重い病気で何ヶ月も、何年も家に帰れないでいる子供達が沢山いた。 看護婦さんは病気の手当てはしてくれるが、子供達はいつも殺風景な病室に放っておかれていた。 命のクオリティーが大切にされているとは言い難い光景だった... お医者さんが病気そのものだけを見て、人間を見ていない例だろうと思う。 病院を去る時にアンケート用紙を渡されたので、病院はもっと子供のメンタル面に心を配るべきと書いて来た。
この映画でもう一つ思ったのは、もしかしたら、今の世の中を生き辛いと感じている人達こそ、世の中を変えて行く人達なのかもしれないということ。
アダムス自身、最初は人生に何の希望もなく、自殺癖があり、自分から精神病院に入院したのだが、そこで自分の生きる意味に目覚めていく。 医者になることを決意した彼は、大学病院で病気に苦しむ子供達に笑いを与え、死ぬ間際の人に心から寄り添う。 最初は常識破りで煙たがられていた彼だが、その信条に賛同する人が徐々に増えて行き、病院の医者達の固定観念を打ち砕いていくのだ。
「そんなことしてどうなるの?」「変えられるわけないじゃない。」「あいつは変わり者。」 などなど言われ、追い出されそうになりながらも、ついには世の中を変える原動力となっていくアダムス。
アダムスを見ていたら、今の世の中で「あいつおかしいよな。」と言われたり、生き辛くて引きこもっていたりする人達こそ、人類にとって必要な人達なんじゃないかと思った。