妊娠をきっかけに味覚が変わった、という話を耳にしたことはあるだろうか。


女性の間では割とよく聞く話ではある。
かくいう私も娘がひとりいるのだが、妊娠・出産をきっかけに確かに味覚が変わった人間のひとりである。




私の場合、まず辛いものが食べられなくなった。

外で辛麺やカレーを食べる際は標準のものに辛味をプラスして汗をダラダラかきながらハフハフと食らっていたのだが、出産後はレトルトカレーですら辛くて食べられなくなってしまった。
独身時代はYouTuber御用達の赤ペヤング等を好んで食べていたし白米にふりかけ感覚でワサビをかけて食べていたほどの辛党であったにもかかわらずだ。
今や中辛レトルトカレーごときにアンアン言わされている、悔しい、でも感じちゃう。
ぶっちゃけ日常生活に支障はないのでまぁ辛いものが食べられないなら他に好きな味を見つければいいやと特段気にしていない。



あとはチョコレートが異様に好きになった。

これはおそらく悪阻で死にそうになっていた時にチョコレートで命を繋いでいたことに起因すると思われる。
悪阻は本当に個人差があるものだが、私の場合妊娠が発覚してから半年ずっと自宅で寝たきりになるほど重く、妊娠1ヶ月の頃から産休に入っていた。
今となっては笑い話なのだが当時は毎日本当にしんどかった。
何も出来ないし何も食べたくない日が続いたのだが主人が何気なく買ってきたひとくちサイズのチョコレートを食べた途端、身体がすごく楽になったのを覚えている。三途の川から呼び戻される感覚であった。
花畑が見えた気がしたのでもしかしたらチョコレートに見せかけたヤバいブツであった可能性も否定しきれないのだが旦那を信じようと思う。あの武田鉄矢も「信じられぬと疑うよりも人を信じて傷つく方がいい」と歌っている。

ちなみに産後もチョコレートを食べて生きていた。
帝王切開後で毎日傷が死ぬほど傷んだ産後入院中も初めての夜泣きに娘と共に泣いた里帰り中も自宅に戻り家事と育児に追われ始めたあの頃も私の隣には常にチョコレートがあった。
もはやチョコレートは私にとっての相棒といっても過言では無いだろう。
旦那と別れることがあればチョコレートと添い遂げようと思う。
これは2代目キュアショコラを襲名する日も近いかもしれない。ババキュアをよろしくな。
ただし「チョコレート味のもの」は苦手なのであくまでチョコレートそのものに限る。


ちなみに既にバレンタイン用のフォンダンショコラとクッキーの準備をしているのだが、主材料であるチョコレートが既に半分程無くなっているのはここだけの話だ。
たまにはGODIVAとか食いたい。