■文字で読む↓
会社員を辞めてお店を開業したのだが、
今思うと元の会社は本当に優しかった。
入社2年目に自ら別会社へ出向したいと手を上げ、
出向先の東京に引っ越した。
挑戦するぞと意気揚々に乗り込んだわけだが、
それはもう想像を超えた仕事量だった。
23時、24時まで残るのは当たり前。
量を効率よくこなすことは苦手だったので、
ぼくのせいでもあったんだろうけど。
慣れというのは怖いもので、
遅くまで残ることには適応できていった。
でもこれだけは結局適応できなかった。
上司からの圧だ。
売上目標が高すぎて、
どうにもこうにも達成できない。
週次のバイヤーミーティングが、
もう苦痛で苦痛で仕方なかった。
元の会社に戻して欲しいと言いたかったけど、
自分から言い出して出向した手前、
そんなこと言える訳がないと思って踏ん張った。
でも過労で病気になったら、
戻してくれるんじゃないかと思い、
体よ壊れてくれと願い続けた。
でも意外と体は丈夫なもので、
どうしても壊れてくれなかった。(お母さんありがとう)
そして社長が交代になり、社長の圧がさらに加わった。
もう無理だ、ついていけないと思い、
ついに元の会社にSOSを出した。
「自分から言い出した手前申し訳ないですが、
病んでしまったので戻してください亅
人事に相談してみると連絡があって、
後任を探してくれることになった。
安心したとともに、早く決まってくれと、
焦る気持ちがつのっていった。
そしてある日事件が起きた。
仕事が終わって駅に向かい、地下鉄のホームに出た。
遠くに線路が見えた瞬間、
吸い込まれるように体が動いた。
それはぼくの意思ではなく、
脳の反射に近かったのだと思う。
とっさに状況が怖くなり、急いで駅から逃げ出した。
(どうやって帰ったんだよ)
もし戻せないよと言われていたら、
そのまま線路へ走っていたのかもしれない。
人に追い込まれることもあれば、
人に救われることもある。
人ってなんなんだろうね?
会社員時代と比べ収入は大幅に減ったけど、
(かなしみ)
のんびり過ごす時間に、お金が使えればそれでいいんだ。
この時間が心の栄養になって、
また明日からがんばれる。
あなたの心の栄養はなんですか?