『キタダレコード』前編
科学の進歩が庶民の想像をはるかに越えてしまった現代。
生きていく中で必要のないある程度の欲求は指先をそっと動かすだけで満たせてしまう。
音楽や映画、楽しいものや感慨深いもの、かなりエグい映像だって瞬時に手元にやってくる。
買い物だってできるしゲームもできる。
ニュースや天気、レシピに言葉、迷子になっても自分が何処にいるのか、調べたいものがあれば何だって教えてくれる。
21世紀における大発明スマートフォン。
電話という元来の機能を大きく上回りその用途は様々な方向へと広がり続けている。
先駆けて使われていたEメールのやり取りもチャットが主流になり始める。
家族や友達との連絡。恋人とじゃれ合ったり、仕事のやりとりなんかもチャットでやってるなんてのは今や常識みたいなもんだ。
使われ出した当初は違和感や不快感も取り沙汰されていたけどそんなもんは遠い過去の話。
人はどんなものにも慣れる。
寝転んで屁をこきながらであろうが正座して涙を流していようが打ち込まれた言葉はネットの中をすり抜けて一定の温度で相手へと届けられる。
知り合った中ならその人柄が背景にもなったりもするが相手の状態を知るすべはない。
愛している💖
ありがとうo(^▽^)o
楽しみ~😆
すみません。
今後ともよろしくお願いします。
こういった言葉が毎日毎分毎秒、真相は謎のベールに包まれたまま光の速さでこの星を駆け巡っている。
そしてそれを受け取る1人は、1人の中にソレをしまい込む。
繋がっていると思っていてもその作業を行なう時はいつだって1人だ。
スマートフォンのディスプレイを見つめる人の目はなんであんなに冷たいのだろう。
かと言ってこのコミュニケーションツールの王様を無視して生きていくにはあまりにも今の世の中は不自由過ぎる。
まあ、ミドルエイジにありがちな時代批判と言われればその通りだし、
おれも今タバコをくわえながら仏頂面でコイツを打ち込んでいる。
上のほうであげてる娯楽はいつも楽しんでるし、情報にも世話になってる。
トイレで用を足しながら真面目なやりとりしてることもある。
正直手放せないデバイスだ。
ここまで長々とスマホをディスりフォローしてきたが今回のテーマはスマホじゃない。
そういったモノや都合よく整えられた世の中のシステムの落とし穴の中でジタバタしたこの数日の間、何回か出入りする事になったキタダレコードっていうCD屋さんがメインアクトだ。
とはいえ すでにけっこう長くなったから今日と明日と二部に分けてアップするのであしからず。
よく「スマホがなかったら生きてけなーい」とか言ってるヤツがいるけど
もし本当にすべてのスマホがこの世からなくなったら
生き返るヤツがけっこういるんじゃないか
なんて思う。
もちろんおれも含めてね。