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『プラトニック不倫』




去年からやたらと騒がれる不倫報道。

いい加減ウンザリしてる人も多いのではないだろうか。

他人が乳繰り合っているのを事細かに取り上げ、あーだこーだとこき下ろしていく。




果てしなくどうでもいい。




しかしながら、これだけ取り上げられるということはそれだけ食いつく人が多いからなのだろう。



こんなモンは当事者が解決すればいいだけの話で正しかろうが間違っていようが当事者の間で和解が成立すれば問題ない。


そこに他人が入り込んで騒ぐからややこしくなる。





騒げば騒ぐほどその規模は大きくなり世間を巻き込み「さぁー!みんなで考えよう!」って具合になる。




アホらしい。なんで他人の乳繰り合いを世の中全体で審議しなければならないのか。








英雄色を好むというように歴代の豪傑達にはそれを取り囲む人で溢れている。

残念ながら人は平等にはできておらず、こういうことには男にも女にもやって許される人と許されない人がいる。




一般的には度し難い行為も豪傑達であれば、さすが!と賞賛されもする。

その人の器量があればこそだろう。

ただ、この器量を見誤るとえらいことになる。







要するに人間の形はそれぞれがそれぞれの場所にあるのだからそれはそれでいいのではないか。

わざわざ自分や正論の型にはめ込もうとするからややこしいだけで、その正義を発揮するのは自分の半径5メートルで何かが起きた時までとっておけばいい。




前置きが長くなったが俺のところにもそんな不倫の話が舞い込んできた。

ただ、近頃騒がれるゲス不倫とは違うプラトニックな不倫の話。


お国違えば文化も違う。そこに宗教が絡めばもっと違う。

しかし、違いはあっても人は人。浮つく気持ちか愛なのか。



悶々とする気持ちをソイツは俺にぶつけてきたのだった。





俺の働いている工場はインドネシアに支社を持っていて、そこから研修生として数名のインドネシア人が送り込まれてくる。

就労ビザで3年、2年半前に日本へとやって来たソイツは当時日本語がほとんど理解できず「お前そんなんでよう来たな」と思うほど意思疎通ができなかった。



かく言うおれもオーストラリアのハム工場で働いたことがあり、おれも英語力もクソもない状態だったのでソイツを悪く言えた義理ではない。


職長のジイさんが仕事内容を一通り説明した後で「わかったか?」と問われ「わからない」と答える。


するとジイさんは胸の前で手を組み「おぉ神よ何故この様な試練を与えるのですか?」みたいなことを言って天を仰ぐ。

そばにいる同僚のアフリカ人が図太い声を上げて笑う。




このコントじみたことを度々繰り返していた。










日本語が理解できず、時には怒鳴られたりしてるソイツの気持ちがわからないわけでもない。


わからない言葉があると「センパイ!」と尋ねてくるソイツにおれは身振り手振りや例え話を交えて理解できるまで教えてやった。

その甲斐あってか今では片言ではあるが日常会話なら差し支えないほどまで成長した。




ここまでの話だとソイツは健気で勤勉な男みたいになるが日本に来て1年目は週末になると大阪や京都のクラブへと繰り出し、インドネシアの宗教であるイスラム教では禁止されてる酒を飲みナンパを繰り返し、入ってきた給料を毎月使い果たしてしまう不良外人だった。



同じ部署に配属されたもう一人のインドネシア人はクラブ遊びには付き合わず、日本語が解らずとも勘のいい男で仕事もどんどん覚えていき、日本語も今やペラペラだ。


いい奴ばかりじゃないけど悪い奴ばかりでもない。





そんな浮かれた1年を過ごしたソイツも2年目に突入するとクラブ通いをやめて家を建てると意気込み貯金を始める。

ちゃらんぽらんではあっても国に妻と娘2人を残して来ている所帯持ちだ。

金を稼いで家族へ持ち帰る為にはるばる極東の島国へやってきたのだ。


とはいえ人間そう簡単には変わるわけもなく、クラブに行かなくなったソイツは掛かった歯医者の女医や近所で犬の散歩をしていた女の子とLINEを交換しては俺に口説き文句を尋ねてきた。


今時誰も使わないようなベッタベタの臭いセリフを教えてやると嬉しそうにひらがなを打ち込んでいた。




俺のアドバイスに問題があったのか、女子達とは功を奏すには至らなかったようで、徐々にそんな類の相談を受ける回数もへっていき3年目に入るころになるクラブやナンパなんかの浮わついた話をソイツから聞くことはまったくなくなっていた。