ジャズについて話そうか -163ページ目

悪女との蜜月

Torch / CARLY SIMON






    日々「学び」のブログ-kari







このCDは、実は紹介したくなかった。


だって、ばれるもの。






なぜならば、僕のバンド、サックス時代のネタ帳だからである。







1曲目「ブルー・オブ・ブルー」 デイヴィッド・サンボーン


5曲目「ボディ・アンド・ソウル」 フィル・ウッズ


6曲目「ハート」 マイケル・ブレッカー


この3曲はそれこそ死ぬほど聴いた。






最初に聴いたのは、


このアルバムが出た翌年にあたる1982年、


僕が大学2年生の時である。







ジャケットのカーリーとは


真逆のボーカルの女の子の家に


なにげなく置いてあった。







「あたしに、似てるでしょ。」 


「似てねーよ。」


そんな感じで忘れてしまっていた。








5年くらいたって、


歌手のバックをすることになった僕は、


はたと困っていた。








「歌伴ってどうやれば良いんだろう?」








そんなとき、ピアノの山ちゃんが、


「サンボーンて、歌伴うまいよなあ。


スカポン(当時の僕のあだ名)、トーチって知ってる?」







おぉ、ありましたね、そんなのがぁ!






急いでレコード屋に買いに行って、


それからは、


この3曲が僕のサックス歌伴のネタ帳になったというお話。







3人のサックス奏者が、


それぞれに短いセンテンスの中に


自分の持ち味を出し切っており、


これしかないって演奏にいま聴いても強く打たれる。







カーリーの歌の下手さと色っぽさも


純な悪女を思わせて、至極。