私の父親は2000年5月22日、多臓器疾患により亡くなりました。実はその半年くらい前に肺炎を起こし、その後酸素ボンベを使わなければならない状況でその冬を越し、一時回復の兆しもみせたのですが、結果的に内臓の機能が低下していたため、再び肺炎を発病した際、合併症により亡くなってしまいました。

 親父のことを思うとき、まだお袋と結婚した頃にシェパードのオスとメスで2頭飼っていたことがよく思い浮かびます。

 私が生まれてからは自宅で犬を飼うことはありませんでした。お袋曰く「亡くなったときの悲しみを考えると絶対に飼えない。」とのこと。

 聞くところによると、オスの方が交通事故に遭い、大ケガを負いながら自宅まで何とか辿り着いて息を引き取り、また後を追うようにメスも突然の病気で亡くなってしまったそうです。それ以来、決して犬を再び飼おうとしなかったとのことでした。

 しかし、親父は近所の大型犬を見ると、そのシェパードたちの思い出を語りながら、本当は飼いたいという気持ちを表現していたのだと思います。実は親父は昔から右足を痛めていたため、自分自身で散歩させたり遊んだりすることができなかったのでした。

 そんな、親父の背中を見て育った私は、もしも犬を飼うことがあるならば、絶対シェパードしようとの思いを心の中にずっと抱いていたのでした。
(つづく)