機長が突然死!乗客が操縦し緊急着陸成功 「復活祭の奇跡」だ!…米フロリダ州
スポーツ報知(04月15日08時00分)

 米フロリダ州で12日、機長が突然死した双発プロペラ小型機を乗客が操縦し、無事に着陸させる奇跡が起きたことが14日、分かった。免許を持っていた乗客だったが、同様の機を操縦するのは初めてだった。米国内では、今年1月の「ハドソン川の奇跡」に続く「復活祭の奇跡」として乗客を称賛する声が相次いでいる。

 「祈るんだ」

 勇気を振り絞って操縦かんを握ったパパは、2人の娘にそう告げて、下降を開始した。

 CNNなどによると、機長と一家4人の計5人を乗せた双発プロペラ小型機は12日昼、ミシシッピ州ジャクソンに向けてフロリダ州南部のマルコ島空港を離陸した。しかし、上空で異常事態が発生。高度3000メートル付近で機長が意識を失い、心肺停止状態に陥っていることに気付いた乗客のダグ・ホワイトさん(56)は操縦の交代を決断した。

 操縦免許を持つホワイトさんは管制塔に「操縦士が死んだ。助けてくれ」と連絡し、管制官の無線誘導を受けながら約30分後、出発地から約80キロ北のフォートマイヤーズ空港への着陸に成功。約130時間の飛行経験があったホワイトさんだが、単発のセスナ機のみで双発機の操縦は初めてだった。管制官の「降下して高度を維持して下さい。我々が誘導します」との呼び掛けに、落ち着いた声で「スロットルの設定位置が分からないのだが…」と指示を仰ぐなど、努めて冷静に突然の任務を遂行した。着陸は、操縦かんを握る本人も一瞬気付かなかったほど完ぺきなランディングだった。

 意識を失った機長は、ホワイトさんの妻と娘が蘇生を試みたが死亡。死因は明らかになっていない。ルイジアナ州の自宅に帰る途中だった一家は、何事もなかったかのように同日中に民間機に乗り換え、自宅に向かった。

 米国では、今年1月にニューヨーク上空でエンジン停止に陥ったUSエアウェイズ機をチェスレイ・サレンバーガー機長(57)がハドソン川に着水させる決断をし、幼児や日本人を含む乗客乗員155人を全員無事に導いた「ハドソン川の奇跡」があったばかり。イースター当日と重なった今回は、既に「復活祭の奇跡」と呼ばれている。

 ハリウッド映画「エアポート’75」を現実化させたような偉業を成し遂げたホワイトさんは、完全な民間人ということもあって国民から早くも英雄視する声が高まっている。

航空機の操縦免許は持っていたとは言え、ここまで冷静になれるのは凄い。

家族を守りたい一心だったのではないだろうか。

一瞬でも諦めの気持ちがよぎったら、こんな信じられないことは起こらなかったのではないだろうか。

訓練していても、実際に出来ない人だってたくさんいるだろうから。