硫化水素自殺、今年5月末で489件517人
読売新聞(06月19日14時37分)

 今年に入って5月末までに、硫化水素ガスによる自殺が全国で489件発生し、517人が死亡していることが警察庁のまとめでわかった。
 同庁では、ガスの発生方法を説明するインターネット上のサイトや掲示板を「有害情報」に指定し、発見し次第、インターネットのプロバイダー各社に削除要請をするよう通達するなど、さらに防止策に力を入れる方針だ。
 硫化水素ガスによる自殺は昨年1年間は27件、死亡者は29人だったが、今年に入って急増し、ピーク時の4月は1か月だけで自殺者が200人を上回った。
 昨年と今年の自殺者の内訳では、20歳代が全体の45・2%を占める247人で、30歳代が148人、40歳代が71人、19歳以下が55人だった。

自殺は、極めて個人的な選択で、社会が悪いと決め付けるのは、短絡的発想だと思ってきたけど、ここまで、若い人が簡単に死を選ぶというのは、ある階層の人たちには生きにくい社会になっていることは確かだろうね。

僕が、20代そして30の前半のころは、貧乏だったけど、一応、定職についてたし、まあ、日々の暮らしは賄えたし、安い居酒屋だったとは言え、仲間と憂さ晴らしもできたから、仕事でいやなことがあっても、楽しいこともたまにある、そんな時代だったね。
30代終盤から約10年は、けっこう贅沢が出来るようになったけど。

だから、派遣をはじめとする非正規雇用の人たちの、本当の気持ちは分からない。
えり好みしなければ、仕事はあるはずだというのは、単純な一般論だしね。自分自身、何か仕事をしなければ生きていけない事態になったとして、じゃあ、なんでも出来るかというと、ちょっとそれは無理かもなぁ、と思う。ずっと屋根の下で背広を着て働いていた人間が、突然、現場作業というのも、適応できないことの方が多いだろうね。家族円満で、家族が支えという人以外は無理なんじゃないかな。

確かに、20代で、日々、違った仕事を生きるためにせざるを得ない状況の人は、将来を図を描くのは難しいよね。将来への希望が持てなければ、毎日の疲れは消えることなく沈殿していくだけだろうから、沈殿した疲れや不満が、フラッドレベルを超えてしまうと、死んだほうが楽かも、と思うのかもしれない。

社会が100%悪いわけじゃもちろんないけどね、おかしなひずみが色々出てきているけど、それは、戦後復興時代から高度成長時代のころにもあったわけだし、その時代、その時代の負の部分があるのはしょうがないことだろうな。
でも、20代で死を選んだ人全てが、どうしようもなく弱い人間だったかというと、そうではないんじゃないかなぁ。