天声人語
2007年05月20日(日曜日)付

 たばこを吸いながらバスを待つ人がいたとしよう。バスが来たら、吸いかけを消して乗り込む。日本ならこれが普通の光景だろう。ところがニューヨークには、バスをやり過ごして吸い続ける人が時折いる。

 たばこが高いからだ。店や銘柄で差はあるが、おおむね1箱が7ドル強。1本45円ほどとなれば、火を付けた直後にバスが見えたとき、舌打ちしつつも消さない愛煙家がいて、おかしくはない。

 値段が高いだけでなく、街全体がたばこに極めて厳しい。建物の中で吸える所は、自宅のほかはまずない。市内に数店の「シガーバー」以外は飲食店も御法度だ。市民の喫煙率は19%というが、煙に遭遇するのがまれなためか、喫煙者はごく少なく感じられる。

 先ごろの厚生労働省の発表によれば、日本の男女計の喫煙率は24%と、過去最低を更新した。ニューヨークと5ポイントしか違わない。その割に喫煙者が多いように思えるのは、受動喫煙を被る場面が多いせいだろう。

 わけても飲食店はひどい。隣のテーブルでスパスパやられるのは茶飯事だ。同じ卓を囲む仲間に気を使い、こっちに向けて煙を吐く迷惑者もいる。仲間は大事だが他人はどうでもいいらしい。

 禁煙広報センター(東京)が一昨年、喫煙者に聞いた。約2000人の半数が、1箱500円ならやめると答えたそうだ。日本はたばこが安すぎるし、煙の居場所に寛大すぎるようだ。「スモハラ」(スモークハラスメント)という言葉がある。愛煙家は知っておいてほしいと、今月末の世界禁煙デーを前に思う。

> こっちに向けて煙を吐く迷惑者もいる。仲間は大事だが他人はどうでもいいらしい。
いるんだよねぇ、ほんとにこういう奴、多いんだよ。ふざけているよね。
僕は、ずっと前から、日本は、まだまだ喫煙者天国と思っているし、事実、そうだろう。
まあ、タバコの値段を上げて、高齢者、低所得者のために、バラ売りを検討すればいいんじゃないの。

しかし、朝日の記事と意見が同じとは・・・複雑な心境だよ!
僕って、国賊じゃないんだけどねぇ・・・。