こんにちは、MAYAです。
ラッフルズホテルの
滞在レポを書きたいと
思っているのですが
その前に一言。
めちゃくちゃラグジュアリーで
ぜいたくを尽くしたような
高級ホテルのラッフルズだけれど
わたしが一番感激したところは
そのゴージャス感ではないのです。
わたしが一番感動したこと。
それは、
そこで働く人たちの「誇り」。
ラッフルズのベルボーイは
インド人のシーク教徒
限定なのだそうで
それはそれは
誇りを持って働いている。
ゲストが車を降りた
その瞬間から始まっている
ラッフルズ滞在、
その第一印象を決めてくる
ベルボーイは、
まさに車のドアひとつ
開けることに入魂している。
きっとシンガポールで
ラッフルズのベルボーイといえば
彼らにとって憧れの職業。
ドアを開ける人がドアマン、
荷物運ぶ人がベルボーイ、
それを仕事(作業)という
視点で見たら
だれもがやりたい仕事では
ないかもしれない。
けれど、
誇りを持ってそこにいるなら
とてつもなく高貴な職業にすらなる。
そして
レストランでも
おもてなしの心がすごかった。
ゆうゆうに期待を超えてきた。
それはね、
サービスが完璧だって
ことじゃないの。
もちろん、
顧客のオーダー通りに
美味しい料理を持ってくる。
それは当たり前のお約束だけれど
わたしが「これだ!」と感じたのは
失敗しても
挽回する力なの。
たとえば
コートヤードでのお茶タイム。
今回私たちはここで
ウェルカムドリンクの
シンガポールスリングをすすりながら
陽気な午後を過ごしてたわけ。
食べ物の注文を
取りに来たスタッフは
アイスクリームはどんな種類がある?
チョコレートがある?
と聞く私たちに
「ございます。承知いたしました。」
といって去っていった。
長女のために
注文したのだけれど
一向にそれはやってこなかった。
そこで
別のスタッフに聞くと
チョコレートアイスは
「メニューとして存在しない」という。
確かにIce Creamとしか
メニュー表にも書かれていない。
じゃあ何があるのか、というと
ココナッツとブラウンシュガーの
2種類があるという。
うーん、どうしようかな?と私たち。
そこで彼はすぐに
「お味見いただきたいので
お待ちください」と言い残し
2種類を、
味見と言いながら
まるごとスクープで持って来た。
それを食べる私たち。
とても美味しい・・・!
そのうちの一つ、
マレーシアの伝統的な
ブラウンシュガー味のアイスを
正式な注文として
頼むことにした。
OK、と言って、
そのスタッフは
2人分のアイスを持って来た。
そして、
最後に
「これは私の気持ちです
(無料でお楽しみください)」と
ウインクして、また去っていった。
別のスタッフのミスを
お茶目にカバーし
颯爽と仕事に戻る彼に
あっけにとられる。
ひとつSGD5のアイスだ。
私たちは、
「あら、いいのに」
と思ったけれども
そこで主張するのは
野暮だというもの。
彼の好意を受け取り
甘えることにした。
チョコレートアイスが
なかったことはとっくに忘れ
ブラウンシュガーのアイスを
舌に転がしている午後は
いつの間にか
期待以上の気分で過ごす
午後に変わっていた。
そして、
夜はステーキハウス
Butcher's Blockでのディナー。
オープンキッチンで
大人な雰囲気のグリルレストランだ。
ここで
オーダーを取りに来たスタッフ。
どれほど
自分自身がそのメニューを
愛しているかを熱く語る様子に
圧倒される。
本当に好きだということが伝わる
情熱たっぷりのトーク。
目を閉じて
うなるように
そのステーキのうまさを語る彼を見て
うむ、これは、本当に好きなんだな、と
わかる。
それに合わせたワイン選び。
お酒は飲めないというのに
私までもが惹きつけられる会話で
結局は夫のグラスを一口だけ
失礼することに。
それもこれも
スタッフの彼の甘い言葉が
そそのかしてくれたから。
コミュニケーション能力が
すこぶる高いスタッフが
ホテルの格をあげている。
ラッフルズホテル。
それはどこを切り取っても
甘く美しい世界。
期待通りで
当たり前といえば当たり前の
高級ホテルの世界の中に
厳しさとは反対にある
柔軟性のある心地よい世界。
どれほどスタッフを訓練しても
顧客が期待するサービスは
必ずしも叶わないことがあり、
その事故ともいえる事態は
ときどき起こってしまうこと、
それは
ホテルに勤めたことがある
私だからこそわかる。
努力だけではすまないことも
現場には起こり続けるのだ。
けれども
それを見事に
伝説に変えていく力、
これは一流ホテルにしか
できないこと。
そして
それは、人にしかできないこと。
スタッフが
誇りを持って働いていること。
ここで働くことが好き。
ラッフルズで働く自分を愛している。
その意思が感じられる
滞在だったのです。
ということで
これから少しずつ
ラッフルズの物語を
始めたいと思います。
MAYA
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