第10回 大人と子どもの交流読書会 第一部 内容


2/27(土)第10回読書会 第一部を15:00~18:00で実施しました。

参加者は4名です。

今回も中学3年生(常連者)が参加してくれました。

課題図書は新潮文庫『夏の庭』(湯本香樹実著)です。

夏の庭―The Friends (新潮文庫)/湯本 香樹実
¥464
Amazon.co.jp



まず、読んでもらった感想を述べてもらいました。

■読みにくかった。ボクが小学生らしくない。書き手が理想を追求しすぎているような感じがした。テーマはおじいさんだったらどう思うかという言葉で、人は亡くなっても心の中で生き続けるのだということか。基本的に良い人ばかり出てくるので、作られた感が強い。そこに抵抗があった。

■ibマッピングを自分がしていて、子どものために大人として何をしてあげればよいのかを考えていた。より良い生き方とは何かを考える事がここのところ続いていたタイミングでこの作品を読んだ。おじいさんが日常の作業の中でいろいろなこと教えているのを見て、これが本来の姿ではないのかと思った。本やネットで情報を詰め込んでいる自分はいったいなんなのだろうかと疑念が出てきた。私たちのようなカウンセラーという仕事が必要なくなれば良いのにと思った。

■おじいさんの話していた戦争の加害者体験に感銘を受けた。

■おじいさんとおばあさんを最後に会わせてもよかったのではないかと思った。




この後はいつもなら、叩き台を使用してキャラクター分析・テーマ分析・疑問点へと話を進めていくのですが、今回は私の独断で、参加者の感想を元に話を進めていきました。



■ボクが小学生らしくないとの感想が出たが、はっきりと3人の小学生のキャラわけをしている点はリアルに感じた。ボクのような小学生は現実にいると思う。

■テーマとして、死んでも心の中で生き続けるという点は同意できる。人との関わりの必要性を説いているのであると思うが、メンター作りを子ども達は必要としているのではないかと思う。

■おじいさんの小学生に対する行為は、昔であれば日常的に行われていたのであると思うが、現在はみな忙しすぎて余裕を持って子どもと接する機会が奪われている。その補完的な習い事などがあるが、結局金儲け主義に陥っているので、なかなかおじいさんのような対応を子ども達にしていくのは難しい。

■テーマから考えると、最後におじいさんとおばあさんを会わせる必要はなかったと思う。会わなくても心の中で繋がっている。

■おじいさんの家のゴミ袋を集め始めるという突飛な行動は理解しにくいが、これはおじいさんと交流を持ちたいと考え始めたからではないか。

■問題として子ども達に与えられた「死ぬとは?」について、「心の中にいる」ことを知るという解決に繋がった。





続いて、時間の関係でキャラクター分析を1名のみ行いました。


1.山下







疑問点です。







最後に読書会の感想を述べてもらいました。

■面白かった。読み込めていなかったところや違う読み方ができるのだということがわかった。本の読み方の楽しさを知ることができた。ただ疲れた。

■本から脱線した話が多かった。いつものように本の中の世界での視点を通して、作品の理解を深めていきたかった。

■キャラクター分析、テーマ分析という流れではなく、みんなの感想を元に話を進めてみたが、まとまりに欠けたと思った。チェアマンの技量不足とテーマを超えるテーマを意識しすぎてしまった。今回の作品はテーマに沿うべきだった。今後のこうした感想を元に話しを進める場合には、チェアマンの技量を高めていく必要があると思った。

■friendsにおじいさんが含まれているのかどうか?友達のようになっている。