今から30年前。

母があるところに出掛けて行った。

理容師免許を持ってたから近所の家に訪問カットしてたんだ。

ある日、自分もついて行った。

日本庭園、大きな平屋敷、孔雀もいて、ただびっくりしていた。

子供のカットが終わり紹介された。

名前はりーちゃん

知的しょうがいのある男の子だった

どう接していいかわからなかったが遊んでるうちに、気にならなくなった

そこの姉、弟とも仲良くなった

遊び場は日本庭園、孔雀小屋、積まれたブロックの上など、毎日が楽しく過ごしてた、中学校にいくまでは

中学に入った僕は、サッカー部にはいり毎日、毎日走り、ボールを追いかけていた

ある時、サッカーゴールを見てたら、その裏の空き地に見覚えのある顔を見かけた

りーちゃんだ!

パッタリと遊ばなくなってしまったりーちゃんだった
しばらくすると、りーちゃんと目があった

そして手をふるりーちゃん
僕は手をふらなかった、いやふれなかった

りーちゃんに気づいた他の部員が柵を開けて中にりーちゃんをいれた

他の部員がからかいはじめた

りーちゃんは遊んでくれてると思い嬉しそうにはしりはじめた

異変に気づいた先生がりーちゃんを連れて行こうとした時、僕の名前をりーちゃんがよんだ

僕は知らない顔をした

聞かれても知らないと言ってしまった

恥ずかしかったんだ、りーちゃんと友達だということが

本当に恥ずかしいのは、自分の心なのに

よく見られたいと思う自分なのに

あれから30年

胸にしまっていた事を告白している

僕は優しくなんかないのだ
りーちゃんはもう、亡くなってしまって言えなかったけど

りーちゃんごめんね。

知らない顔してごめん

手をふらなかくてごめん

そして、いつもいつも笑顔でいてくれてありがとう