ナウ・アンド・ゼン | 歌う言葉

歌う言葉

懐かしの洋楽を日本語で歌ってみたい!

2023年11月2日リリースのザ・ビートルズのシングル曲です

リリース当日からビートルズのラスト・ソングとしてニュースでも取り上げられるほど話題の曲です もともと1995年のビートルズ・アンソロジー・プロジェクトの一環としてジョンが生前に録音したデモ・テープにポール、ジョージ、リンゴが演奏を加えてビートルズの曲として完成させる計画の中の1曲で既に「フリー・アズ・ア・バード」と「リアル・ラヴ」が発表されていましたがこの曲だけはジョンの声を綺麗に抜き出すことが難しく作業が中断されたままになっていました 今回AIの技術でそれが可能になり今回のリリースに繋がったものです(ピアノの音がフラットな波形であるのに対して人の声は揺らぎが出るのでそれを判別させるようです)ジョンの声や歌いまわしがリアルに聞こえてきて嬉しいですね

先日ストーンズが18年ぶりのスタジオ・アルバムを出したばかりで今度はビートルズの新曲とシニア世代には嬉しいリリースが続いています(それにしてもビートルズはニュースで取り上げられるのにストーンズはスルーですね 18年振りのリーグ優勝の阪神はニュースになりましたが… なんか昔からビートルズとストーンズの扱いって変わらないですね) 今年は年初からジェフ・ベックやデビッド・クロスビーそしてロビー・ロバートソンと大物が次々に鬼籍に入って寂しい気分でいたので年末に向かってのこの展開はちょっと嬉しいですね

そんな今回の曲ですがジョンのデモ・テープの曲と比較すると大きな違いがあることで議論を呼んでいます ジョンのデモでは"I don't wanna loose you"で始まるもう一つの展開があってサビに繋がって行くのですが今回のヴァージョンではその部分が抜け落ちています もともとデモの中でもこの部分は歌詞が未完成っぽくてメロディーも探りながら歌っているような感じで心許ない個所ではありました ただ静かなバラードの曲調の中では心情を伝える一番感情がこもった部分だった気もします この部分を経てからのサビはより安定感がある気もしますが今回のアレンジでは切り取られています(技術的な理由なのかジョンのデモから完成形を導くのが不可能と言う判断だったのか定かではありません) ただこの部分がないことでこの曲の中の”You”が誰か固有の人物や恋人という対象から自分にとっての大切な人・友人というニュアンスに広がった感じはあります(ジョンに続いてジョージも亡くなった今このパターンで聞くこの曲は胸に熱く迫って来るものがありますね)結局この部分は間奏としてジョージ風のスライドギター・ソロに置き換えられています そのことで今度はサビの"I miss you"の転調部分が際立った感じもします この辺りはポールのテイストでしょうか凄く綺麗に上品にまとめていますね あまり綺麗すぎるとジョンのエッジの効いた作風が消えてしまうのですが流石ポールですね ジョージ・マーティンの息子さんのストリングス・アレンジもオマージュっぽくて嬉しいです

歌詞の内容はこの頃のジョンの作風にあるシンプルでストレートなもので相手への感謝と愛を歌っています(女性に対しても恋愛対象としての独占欲ではなくて感謝や尊敬の気持ちを現わした内容ですね) もういなくなってしまった大切な人を時々思い出しては相手への感謝と今も居てくれたらという叶わない願いが歌われています いつもながら少し鼻にかかったジョンの声が切ないですね この歌詞で嫌でも亡くなったジョンやジョージへの想いが重なってきます 曲全体が『ありがとう』と言っている感じの響きですね

昔はこういう新曲が出るとギターでコードを探して一家に一台の黒電話で友達とあぁでもないこぉでもないと延々と長電話してたものでした 少し大人になるとそれは居酒屋に場所を代えて… 今はもう直ぐにネットでコードの解説があったり感想があったりして凄く便利ですがなんかあの頃のワイワイした感じが無いのは少し寂しい気もします そんな楽しい時間を過ごせたのもビートルズのお蔭かなって感じです

想えばこの曲は多分ジョンがヨーコにそしてポールとリンゴがジョンとジョージにそしてファンがビートルズにこれまで何とかやってこれたのは貴方のお蔭さっていう"I miss you"の歌なのかもしれませんね

 

 

本当さ

君のおかげさ

僕が上手くやれたのは

 

もし今

やり直せて

また知るだろこの愛を

 

時に 思う

今も 君が居ること

戻ってくると

 

本当さ

君のおかげさ

失くせばもう戻らない

 

時に 思う

今も 君がいること

 

本当さ

君のおかげさ

僕が上手くやれたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり4人揃ってるのがファブですね

 

 

 

原詩のリンク:https://www.azlyrics.com/lyrics/beatles/nowandthen.html