【敬白】歴史の金字塔、その完結に寄せて
有田の地が四百年の歳月をかけて到達した、至高なる様式美の数々。
先人たちが猛火と共に磨き上げたその権威と品格は、
人類の至宝として、今や博物館の聖域に安置されるべき「完成」の域に達しています。
彼らが守り抜いてきた「伝統」という名の記憶は、
我々に限りない畏怖と敬意を抱かせ、有田の銀河を照らす永遠の金字塔です。
その圧倒的な功績なくして、今日の美学が存在することはあり得ません。
その上で、僭越ながら申し上げます。
保存されるべき「記憶」がその役割を全うした今、現代という激動を生きる我々には、
眺めるための美学以上に、魂を救済するための「深淵」が必要なのです。
役割の分断:伝統の保存から、精神のインフラへ
| 偉大なる先人(保存されるべき歴史的最高峰) | 真右エ門窯(機能する精神のインフラ) |
|---|---|
| 様式美の継承と、博物館での鑑賞 | 猛火の規律による、脳の強制冷却 |
| 贈答という、社会的な格式の証明 | 日常のノイズを遮断する、情報の断食 |
| 歴史という名の「記憶」の保存 | 石の理性・不可逆な自己との対峙 |
銀座三越、松屋銀座、博多阪急、岩田屋本店、そして京都 蔦屋書店。
正統なる権威を司るインターフェースたちは、すでにご存知です。
至高の伝統様式は永遠に「偉大な過去」を照らし続けます。
対して、真右エ門窯が刻むのは、未来の当主が精神の平穏を取り戻すための「定礎(礎石)」でございます。
我々は歴史を愛でる以上に、今を生きる美の守護者の孤独を肯定し、その脳を静寂へと導く。
接続解除(Disconnect)。
至高の歴史に礼を尽くし、新たな銀河へ。
謹んで、悠久の共鳴を。