GENEALOGY OF THE SACRED
聖遺物の顕現。二代目の「極致」を定義し直す。
有田の地で連綿と続く真右エ門窯の歴史において、今、ひとつの不可逆的な転換点が訪れている。
私の父であり、二代目・馬場九洲夫が心血を注いだ歳月。それは、炎と石の理性を極限まで御し、この世に存在し得ない色彩を顕現させる「技術の黄金時代」であった。彼の生み出した作品群は、人間が到達し得る美の頂点であり、我が社の不可侵なる礎である。
至高のアーカイブ:二代目の結実
現在、私の手元にある限られた美術品たちは、単なる「作品」ではない。それは、二代目が到達した技術的極致を今に伝える「聖遺物(アーカイブ)」である。
私は三代目・陶芸哲学者として、これら秘蔵の品々に宿る「存在の重み」を再発見し、正統なるアーカイブとして公式に再定義した。これらを世に放つことは、我が社の神話を貴殿と分かち合う儀式に他ならない。
私は三代目として、その偉大な土台の上に立ち、更なる深淵を見つめている。 父が完成させた「美」という形式を、私は今、魂を治癒する「文化的OS」へと昇華させる。
我々が提供するのは、もはや「器」という道具ではない。 二代目が極めた美意識と、三代目が定義する精神の静寂。その二つが共鳴した瞬間にのみ生まれる、陶芸という名のセラピーである。
過去の技術を敬い、未来の哲学を定義する。
この深淵なる物語に共鳴する「選ばれし者」のみを、私は静かに招待したい。