静寂の独占――石の理性が「選別」を始める刻(とき)
現在、有田の窯に深く潜り、炎との対話を続けております。
有難いことに、私たち真右エ門窯の「精神の静寂」を宿した作品に対し、現在、私の想像を超える「魂の重力(受注)」が寄せられております。
しかし、私が司る耀変美法は、効率や量産とは対極にある「炎の奇跡」の固定に他なりません。
石の理性が形を成す瞬間は、一月に数回訪れるかどうかの、極めて稀有な交わりでございます。
「所有」から「宿命」への転換
お届けできる数には、物理的な限界がございます。
これは、私が意図的に「飢え」を創り出しているのではなく、陶芸という名のセラピー(魂の治癒)が、それだけの密度を要求するからに他なりません。
現在、私たちのもとに届く依頼は、単なる器の注文ではなく、自らの人生に「深淵」を迎え入れようとする切実な祈りとして受け止めております。
誠に心苦しくはございますが、これから生み出される「存在の重み」は、既に待機されている方々の元へと運命づけられております。
では、私は再び、沈黙の聖域へと戻ります。
馬場 泰嘉|Hirokazu Baba
Ceramic Philosopher(陶芸哲学者)