タイトルや出演者を見て、観る前から絶対面白い!好き!って思ったドラマ「ペンションメッツァ」期待を裏切りませんでした!

 

長野の別荘地カラマツの林の中に建つ一軒の家「ペンションメッツァ」客室は1室のみ。オーナーはテンコ(小林聡美)ペンションを訪れる古くからの友人やたまにふらりとやってくる客は一人客ばかり。

 

そんな客たちと関わっていくうちにテンコ自身も大事なことに気づかされる物語です。

 

この記事ではペンションメッツァのあらすじと感想、それぞれのエピソードに出てくる名言についてまとめました。

 

「メッツァ」はフィンランド語で「森」と言う意味。その名の通りポツンと一軒家のごとく森の中に佇んでいます。

 

北杜市から20号線を北上した富士見町から原村の辺りに建てられている模様。通りがかったらのぞいてみてくださいね!

 

 

 

 

 

ペンションメッツァてどんな話?

 

ペンションメッツァは全7話、1話25分くらいのショートストーリーからなるドラマです。

様々な映画・ドラマで自然体で生きる女性を演じてきた小林聡美が、自然あふれる森の中でペンションを経営する主人公のテンコとして、そこに訪れる個性的なゲストと2人芝居を繰り広げる

WOWOWオリジナルストーリー、現在はアマゾンプライムで視聴できます。脚本・監督は松本佳奈、小林聡美とは「マザーウォーター」「東京オアシス」「パンとスープとねこ日和」はじめ、度々タッグを組んでいます。 

特別変わった出来事もなく、ゆるりとご飯を食べているシーンスローライフ的なただ淡々と日常を綴る、と言うような内容が特徴の作品がほとんどです。

見る人にとっては退屈かもしれませんが、ノスタルジックな世界感やスローな時間の流れにそこはかとなく憧れをい抱かせる作品の数々には、多くのファンを魅了する何か「安心」するような要素があります。

家事と育児と仕事、と忙しく働きづめの女性たちにとって松本佳奈監督の描く世界感は、何度でも足を踏み入れたくなる「心のオアシス」なのです。

息切れしそうになった時や窮屈を感じた時に見たくなるドラマです。「ペンションメッツァ」にやってくる人々は、大きな悩みを抱えている訳ではありません。

ただテンコとの会話を通して、今ある自分はどうなのか?このままでいいのか?変わるべきなのか?と自分を見つめ直す時間を得て、何かしらの答えを見つけてまた旅立っていきます。

テンコ自身もまた、自分を顧みるきっかけをつかみます。毎回テンコが言う気になる言葉をピックアップしてみましたので注目して頂けたら嬉しいです。

 

1話 山の紳士

 

 

 

ペンションの庭に突然現れた身なりの良い男・常木(役所広司)をテンコが迎え入れるところから始まります。

 

道に迷い、宿を探しているという彼の言動にはどこか不思議な違和感が。「のんびりできない習性なんです」「散歩には飽きました」と言う常木に、テンコは草むしりを頼むことに。

 

「雑草なんて人間が決めたこと」と語りながら生き生きと作業する姿に、自然との深いつながりを感じさせます。

 

夕食では、動物と植物の循環や“感情”について語る常木。テンコの「誰かのために何かをしないとダメになる」という言葉には、静かに耳を傾けます。

 

翌朝、常木の姿は消え、ベッドの上には蕗の葉に包まれた一本のマツタケが残されていました。

 

森では一匹のキツネを見守る「森の人(もたいまさこ)」が・・・まるで、「テンコの所に行ってきたかい?どうだった?」と聞いているようでした。

 

キツネを演じる役所広司さんってなかなか観れないですよね。1話からすっかり引き込まれました。テンコもなんか変だなとは思いながらも受け入れているところがさすが!

 

「人と自然」のつながりを柔らかく問いかけてくれる優しいエピソードでした。

【テンコの名言】

「人間って時々誰かのために何かをしないとだめになってしまう生き物なんですね」

 

2話 ひとりになりたい

 

ペンションメッツァ2話 「ひとりになりたい」では流行りのソロキャンプがモチーフになっています。結局は部屋の中でテントを張ることになりますが、それはそれで面白い!

 

キャンプ場にソロキャンにやってきたミツエ(石橋静河)見まわすと先着のキャンパーの男が一人いるだけ。

 

ミツエがテントを張っているとそのベテランソロキャンパー風な小川(ベンガル)が近づいてきて偉そうにあれこれとウンチクをしゃべり始めました。

 

何かと口出しする小川に嫌気がさしテントを畳んで移動を決めたミツエはテンコと遭遇ペンションに誘われました。

 

せっかくなので、という事で部屋の中でテント設営が始まります。これめっちゃ楽しそう!!!キャンプに行かなくてもキャンプ気分が味わえる!

 

テンコとミツエ、食事をしながら話しているのだけど、台本なんてなさそうなくらい普通な感じで会話が進んでいてビックリするくらい自然です。

 

見ている側も、そうそう、それ聞くよねなんて共感する部分がたくさんあります。
「猛烈に一人になりたくなる時がある」
「誰にでも優しくなんてできない」と言うミツエに、

考えすぎなんじゃない?とテンコ。

 

テンコのいいところは誰に対しても温度感が同じこと。たとえ相手がキツネに化けた人だとしても(笑)ただ淡々と状況を受け入れて、ブレない。

 

そんなテンコに憧れを抱く人は多いかも・・・私もその一人です

【テンコの名言】

「誰にでも一人になりたいと思う事があるからこそ、人といるのもいいと思える」

 

3話 燃やす

 

ペンションメッツァ3話の客は常連のお客さんであるカメラマンのフキ(板谷由夏)が1年ぶりに訪ねてきました。

 

テンコは「いいね~、いろんなところに行けて」と言いますがなんだか飽きてきちゃった・・・と答えるフキ。

 

たまった写真のポジを燃やすために庭に出て火を起こすシーンがあるのですが、ソロキャンが流行り始めた昨今、みんなそれぞれに火起こしに関するこだわりがあって一種の儀式のような神聖な物らしいです。

 

テンコにもそんなこだわりがあるらしく、それが結構細かく描かれていて可笑しかったですね。

 

仕事に「慣れ」を感じてしまったフキはこれまでの自分の成果を惜しげもなく手放します。アーティストが慣れを感じてしまったら致命的かもしれませんね。

 

仕事へ対する思い入れに変化を感じているフキに対して生きていると変わってくることもある、と言うテンコ。

 

「ペンションをすることを向いてると思ったことは一度もないけど、でも、向いてない事をやってるのも面白いかなって思う。」

というセリフがあります。

 

ここで私が思うに、お客さんに対して踏み込み過ぎない絶妙な距離感を保っているテンコはペンションオーナーに向いていると思うんだけどな~。

でも、向いてないことを面白がってやる、この感覚はちょっとわかるかも。

 

【テンコの名言】

「偶然だと思う事も自分で選んでいるのだと思う、なんでこんな事を?と思うけど、結局はその時自分で選んで決めてる」

朝、早起きして散歩するフキ、森の中の小川の傍で森の人に遭遇。

 

 

 

 

 

4話 「道半ば」伊藤健太郎くん復帰で公開!

 

ペンションメッツァ4話 「道半ば」は伊藤健太郎くんの都合でリアタイの公開はなかったのですが、復帰後に配信されたレア回となっております。

 

 

 

ある朝、テンコが携帯を探していると、玄関先で行きつ戻りつしている汗だくの青年・ソウマ(伊藤健太郎)を見つけます。

 

水を求めていたソウマをペンションに招き、水を飲んだあとに号泣。自転車がパンクし、携帯も紛失したと言います。

 

泊めてもらったソウマは、シャワーと仮眠でさっぱりした様子に。話を聞くと、日本一周の旅を2周目まで続けているものの止め時がわからず迷っているとのこと。

親切にされることで「自分はすごい」と錯覚していたが帰っても留年中の学生という現実に戸惑っていると打ち明けます。

 

「たまたま出会った同士、お互いさまなんじゃない?」

というテンコの言葉に、ソウマも納得した様子。

 

翌朝、自転車のパンクを修理するソウマ、そばで見ているテンコですが、ここでまたお得意のアドリブ合戦が! 明らかにセリフじゃないでしょ!と言うやり取りの応酬があって面白かったです(本当は台本通りだったかもしれないけれど、そうだとしたら伊藤健太郎君のなかなかの役者ですな)

 

この4話は実は初回放送時、放送困難となり第4話を除いた全6話完結で放送されました。理由は伊藤健太郎くんがやらかしちゃったからなのですがほとぼりが冷めて(←言い方!)解禁になって公開された!といういわくつきの作品です。

 

健太郎くん自信、2周目に入った!という感じなのではないでしょうか?これからも何周でもするんだろうけど、前の周での失敗を繰り返さなければオッケーですよね。ウェブ上で解禁されて、健太郎くんファンは喜ばれたでしょうね。

 

さて、修理も終わって出発!となった時ふと入口付近の石の上にソウマの携帯が置いてありました。この演出、ほっこり。森の人、ありがとう!ですね。

 

【テンコの名言】

「たまたま出会ったもの同士、お互いさまなんじゃない?」

 

5話 「ヤマビコの休日」ただ食べているだけのシーン 

 

泊り客のいない日、テンコは散歩途中で湧き水場を訪れます。そこで偶然ヤマビコストアーのヤマビコさんに会います。彼も今日は休みの日、湧き水場に水汲みに来ていました。

 

普段と違う格好をテンコに「おしゃれね」と言われ照れるヤマビコさん。帰りにテンコをペンションまで送っていきました。用事がなければお茶どうぞ、と誘われペンションに入るヤマビコさん、いつもは玄関までしか入らないので、中のしつらえを見て感動しています。

 

建物の作りを見て専門用語で話すヤマビコさんの以前の仕事は建築関係だったそうです。怪我が原因で建築の仕事を辞めて、ある時手相占いで運命線がきれぎれになっている事から、何をやっても長続きしないと言われた、と言うとテンコは

「ふらふらしてないと経験できない事ってあるよね、転々として来て今ここにいるわけだから」

といいます。

 

うーん、なんでも良い方へ良い方へ、無駄なことなど1つもないんだよ、と転換できるテンコの転換機能が素晴らしい!

 

【テンコの名言】

「ふらふらしてないと経験できない事ってあるよね、転々として来て今ここにいるわけだから」

 

夜、一人料理を作るテンコ。お豆腐にしらすをのせてトマトの刻んだのをトッピング。それと手巻き寿司。お酒も用意されています。食べるのも今夜は一人。

 

一人芝居ですね。このシーン、かなり長尺です。でもすごいなと思いました。ただ食べているだけのシーンなのに魅入ってしまいました。

 

小林聡美の真骨頂、と言った感じ。観ているだけで心が整ってくる気がする、大好きなシーンです。おひとり様の暮らしが凄く豊かに描かれています。

 

テンコとヤマビコさんがテラスでおしゃべりしているシーンではテーブルに乗っているワインとチーズがおしゃれでした。そんな気分を味わいたいですね~。

 

6話 「昔の男」は死んでいる

 

テンコのもとに昔の男コマちゃんが突然訪ねてきます。気を付けてみていると、会話の端々に「ん?」と思える不思議なニュアンスがあって、ラストで「ああ、そうなんだ」とわかるレア回です。

 

テンコが、納戸から段ボール箱を出してきて、古い写真を見始めたところに、訪問者が。テンコがドアを開けると、そこには無造作に摘んだ花束を持った作務衣姿のコマちゃんが立っていました。ちょっと驚くテンコ。コマちゃんはテンコの昔の恋人で、20年以上会っていませんでした。

 

どこか間が抜けているが、相変わらず気の優しい性格のコマちゃんに、テンコは少し驚きつつも自然に迎え入れます。二人はお互いの歳を重ねた姿をからかい合いながら、懐かしい昔の話に花を咲かせます。

 

コマちゃんが淹れたコーヒーを飲んだり、付き合っていた頃によく通ったカラオケスナックで歌った歌を突然歌い出し、ついには手を取り合って躍りながら大声で歌う二人。

 

夕方になって「日の暮れる前に帰らないといけないから」と早々に後にする彼に「逆かと思った」と言うテンコ。また「いまどこに住んでるの?」という問いに「ちょっと言えないけれどいい所だよ」と答えるコマちゃん。

 

コマちゃん「もう少し早く来ればよかった」
テンコ「そうだね、ちょっと遅すぎたね」

コマちゃん「また会えるかな?」
テンコ「いつかね、気長に待っててよ。」

 

歩いて一本道を進んで行く後ろ姿を見送るテンコですが、次の瞬間コマちゃんの姿は忽然と消えました。

 

ペンションに戻るとコマちゃんがくる前に見ていたアルバムの写真から、若かりし頃のコマちゃんのスナップ写真を一枚取り出して、花の前に立てかけました。

 

20年も前に別れた元カレが旅立った後に会いに来るなんて、普通に考えればホラーな話ですがそんな気配がみじんもない演出にしみじみと切なさを感じました。テンコの器の大きさと言うか人としての奥深さが表現された回でしたね。

 

7話 さすらう

 

大きなスイカをお土産にヤマメが、久しぶりにペンションメッツァを訪れます。ヤマメはテンコがこのペンションを始めた頃から、母親と一緒に頻繁に泊まりに来ていた常連です。

 

ヤマメにとっては第二のわが家的なペンションメッツァ、まるで自分の家のように慣れた様子でキッチンに立ちます。二人は手慣れた手つきで一緒に料理を作りながら、数年前に亡くなったヤマメの母親の思い出話に花を咲かせました。

 

穏やかで温かな会話が続き、ヤマメの母親が好きだった料理やエピソードが次々と出てくる楽しい時間を過ごす2人。

 

夕食を終え、二人でスイカを食べている時、テンコが突然「ここに住まない?」と提案します。テンコ自身は最近、ペンションを続けるか新しい道を探すかを考えていて、ここを去る決意を固めつつあったのです。

 

ヤマメにペンションを譲り、レストランに変えてみるなど新しい挑戦を勧めることで、ヤマメの背中を押し、自分自身もこれからの人生を前向きに決めていきます。

 

この最終話は、シリーズ全体の締めくくりとして、別れと新しい始まりを静かに描いたエピソード。テンコの自然体な生き方と、ヤマメへの優しい思いやりが沁み穏やかな余韻と少しの切なさが残る一話です。

 

 

まとめ

 

3話のセリフに「ペンションをすることを向いてると思ったことは一度もないけど、でも、向いてない事をやってるのも面白いかなって思う。」と言うのがあります。

 

ここまできてテンコは「向いてない事を面白がってやる」ことに十分満足したのだと思います。何か次の新しい面白いことを探したくなったのでしょう。

 

テンコの生き方は、作品全体を通じて見て、とても魅力的で憧れを抱かせるものだと思います。彼女は森の中の小さなペンションを一人で営み、訪れる客を自然体で迎え入れ、さりげない会話や食事を通じて相手の心を解きほぐします。

 

押しつけがましくなく、ただそこにいるだけで人が安心し、本音を話したくなるような存在。初対面の旅人も、古い知人も、みんなテンコの前では素直になれるんです。

 

それは、テンコ自身が無理をせず、マイペースに生きているからこそ生まれる人間力。

テンコもまた客との交流から自分自身の気づきを得ていきます。

 

例えば、昔の恋人との再会では切ない余韻を味わい、常連のヤマメとの最終話では、ペンションを譲って新しい道を選ぶ決断をします。

 

あの「ここに住まない?」という提案は、ヤマメの背中を押すと同時に、自分自身がここに留まるのではなく、さすらう(旅立つ)ことを選ぶ象徴のように感じます。

 

執着せず、流れに身を任せ、別れを自然に受け入れる姿勢が、すごく自由で達観している。全体として、テンコの生き方は「シンプルに、穏やかに、自分らしく」。大それたドラマチックなことを求めず、日常の小さな幸せをかみしめ、人のつながりを大切にしながらも、束縛されない生き方。

 

忙しい現代人で疲れている人ほど、こんな生き方に癒され、理想を感じるんじゃないでしょうか。私自身、こんな風に歳を重ねられたらいいなと思います。

 

一方で、テンコのような生き方は、家族がいる人にとってはかなり難しいと思います。テンコの生き方の魅力は、徹底した「自由さと軽やかさ」にあります。

 

一人でペンションを営み、気に入った客とは深くつながり、合わない人は自然に距離を置く。執着せず、流れに身を任せ、必要を感じなくなったら手放す。

 

最終話でペンションをヤマメに譲って自分は旅立つ決断をするところに、その極みが見えます。でも家族がいると、そうはいかないですよね。

 

テンコのような生き方は「家族を持たない選択をした人」や「家族が自立した後」の人にこそ、現実的に近づけるものなのかもしれません。でも完全に真似できなくても、テンコから学べる部分はたくさんあると思います。

 

📍無理に人と深く関わろうとせず、自然な距離を保つこと
📍自分のペースを大切に、少しずつ「手放す」練習をすること
📍日常の小さなことに喜びを見出す感性
📍相手を尊重しつつ、自分の気持ちを押し殺さないこと

 

家族がいても、そういうエッセンスだけ取り入れることはできる。完全に同じ生き方は難しくても、テンコのような「心の軽さ」や「穏やかさ」は、少しずつ近づけていけるのではないでしょうか。

 

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