人類と人工知能AIが戦争を繰り広げる近未来SFアクション「ザ・クリエイター 創造者」。

監督・脚本のギャレス・エドワーズはイギリスの映画監督。低予算SF映画「モンスターズ/地球外生命体」(2010年)の成功でハリウッドに呼ばれた。

大のゴジラシリーズファンで、2014年、渡辺謙(出演)と組んで映画「GODZILLA ゴジラ」を監督、「スター・ウオーズ」のスピンオフ作品「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」(2016年)も手掛けている。「スター・ウオーズ」育ちのSF映画オタクです、きっと。

 

ギャレス・エドワーズ監督

 

人類とAIの戦いが続く50年後の未来。

人間を守るために開発されたはずのAIが、ロサンゼルスで核爆発を引き起こした。

人間のようになったAIと共存するニューアジアが、戦争に勝利する兵器を開発したと察知したアメリカをはじめとする欧米諸国は、武器のクリエイター(創造者)抹殺を図るが、兵器とはAIの少女であった。

AI排除に乗り出した欧米諸国連合軍。

潜入捜査任務に就いていたジョシュアジョン・デビッド・ワシントン)は、攻撃のさなか、妻のマヤ(ジェンマ・チャン)とはぐれてしまう。

<ジョシュア(ジョン・デビッド・ワシントン)>

連合軍は、戦争に勝利する兵器を開発したという、ニューアジアの黒幕クリエイター(創造者)の所在をキャッチ。

妻を失くし傷心のジョシュアだが、妻のマヤがまだ戦場で生きているかもしれないと告げられ、ミッションへの参加を決める。

 

人類を滅亡させる兵器を創り出したクリエイター(創造者)の潜伏先を突き止め、抹殺に向かうジョシュアは、そこで、純粋無垢な超進化型AIの幼い少女アルフィー(マデリン・ユナ・ボイルズ)に出会う。

アルフィー(マデリン・ユナ・ボイルズ)>

 

兵器は幼い少女だった! 衝撃の真実が明らかになり、ジョシュアは抹殺対象であるはずのアルフィーを守り抜くことを決意するが・・・。

<ジョシュア(ジョン・デビッド・ワシントン)>

アルフィー:「天国って?」

ジョシュア:「善人しか行けないんだ」

<アルフィー(マデリン・ユナ・ボイルズ)>

アルフィー:「じゃあ 二人とも行けないね」

アルフィー:「あなたは善人じゃないし 私は人間じゃない」

 

AIと共存する「ニューアジア」。撮影場所はネパール、インドネシア、ベトナム、カンボジアなどのアジア圏が設定のようだ。東京でも撮影している。

ギャレス・エドワーズ監督:「僕は日本が大好きなんだ。観光で何度か行ったけれど、世界のどこよりも僕にとっては異質な場所。まるで未来にテレポートされたかのようにも感じられる。日本には変わってほしくないな。独自の個性を保ってきたという事実が大好きなんだ。撮影した東京の中心部には何百人、何千人もの人がいるから、とても大きなシーンに見えた。」

 

主演はジョシュア役のジョン・デビッド・ワシントン。父は俳優のデンゼル・ワシントン。プロのアメフト選手としてアメリカ国内外で活躍後、俳優に転身し、2018年「ブラック・クランズマン」(スパイク・リー監督)に主演している。

<ジョン・デビッド・ワシントン>

 

AIの幼い少女アルフィー役のマデリン・ユナ・ボイルズは、東南アジア系の血を引く米サンディエゴ出身。ギャレス・エドワーズ監督に抜擢され、本作で俳優デビュー。

今回の大きなテーマは、ジョシュアとアルフィーを通して、果たしてかわいい子どもの姿をしたAIを殺せるのかという人間とAIとの関係を描いています。

<アルフィー(マデリン・ユナ・ボイルズ)>

少女アルフィーの日本語版吹替えは市川團十郎の長女・堀越麗禾(ほりこし れいか)。

四代目市川ぼたんを襲名し、数々のドラマにも出演。今回「ザ・クリエイター/創造者」で吹替声優に初挑戦。なかなか良い出来でした。

<堀越麗禾>

 

渡辺謙も「GODZILLA ゴジラ」に続き、ギャレス・エドワーズ監督作品に出演。

<ハルン(渡辺謙)>

ギャレス・エドワーズ:「彼(渡辺謙)は全世界で(この役を演じる)完璧な人なんだよ。脚本を送ったら「イエス!」と言ってくれた。ケンはとても仕事がしやすい俳優だ。あまり指示する必要はないし、それは監督にとってもいい状況だよ。彼が演じるのは反乱軍のリーダーで、AIを守ろうとしているんだ」

近未来の世界を舞台にした大がかりなハリウッドのSFアクション大作、IMAX®レーザーなど大きなスクリーンでの鑑賞がお薦めです。

 

「ザ・クリエイター 創造者」に、何と日本のSF映画「スーパージャイアンツ悪魔の化身」、「宇宙快速船」の1シーンが挿入されており ビックリびっくりマーク

ギャレス・エドワーズ監督はゴジラシリーズのDVD全巻をお持ちだそうですから、その他日本のマニアックなSF映画DVDも楽しんでいるのでしょうね。

<「続スーパージャイアンツ悪魔の化身」昭和34年・新東宝(宇津井健主演・赤坂長義監督)>

 

<「宇宙快速船」昭和36年・ニュー東映(千葉真一主演・太田浩児監督)>

 

《ギャレス・エドワーズ監督作品ポスター集》

<「モンスターズ/地球外生命体」(2010年)>

 

<「GODZILLA ゴジラ」(2014年)>

 

<「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(2016年)>

 

【全国映画動員ランキング】

毎週金曜日の朝日新聞夕刊に全国映画動員ランキングが掲載されます。

10月20日~22日のランキングは下記の通り。

<2023年10月27日の朝日新聞より)>

10月20日公開「ザ・クリエイター 創造者」の全国映画動員ランキングは第3位です。

 

文中、敬称略としました。ご容赦ください。