おうち時間のお薦め名画「昭和枯れすすき」。

DVDレンタルされています。

<DVDジャケット(表面)>

野村芳太郎・監督は「砂の器(1974年)」「事件(1978年)」など骨太な社会派サスペンスや、「拝啓天皇陛下様(1963年)」のような社会批判を込めた喜劇など、多彩な作品を世に送り出した巨匠です。

 

野村監督の名を広めたのは松本清張の小説を映画化・監督した「張込み」(1958年)。

1974年,松竹で代表作「砂の器」終了直後に、結城昌治の小説「ヤクザな妹」の映画化を会社(松竹)に希望しますが、内容が暗いためか企画が通らず、当時大ヒットのさくらと一郎”が歌った「昭和枯れすすき」の題名で再提案したところ、会社からスンナリOKが出たとの逸話を聞きました。

原作は結城昌治の小説ですから、歌とは全く関係ありませんが、歌の雰囲気はドラマと合っていました。

<DVDジャケット(裏面)>

昭和枯れすすき(1975年)」は、荒涼とした都会で懸命に生きようとする刑事の兄と不良少女の妹が主人公。

兄妹愛の葛藤と絆がテーマのサスペンスドラマ。

 

高橋英樹(兄)と秋吉久美子(妹)の異色のキャスティング。

共演は池波志乃、伊佐山ひろ子、松橋登、鈴木瑞穂、下条アトム、稲葉義男、ひし美ゆり子。

さくらと一郎の歌「昭和枯れすすき」は主題歌として挿入されています。

 

幼いイメージが残る秋吉久美子は当時21歳、70年代日本の青春映画「あかちょうちん」「妹」などが評価された活発で可愛らしい表情が魅力的な女優です。

 

原作は結城昌治の小説「ヤクザな妹」。

脚本は新藤兼人。

撮影は「砂の器」の川又昂で、当時の繁華街やアパート群など、東京のロケーション映像が懐かしい。

1975年6月公開、スタンダードサイズ、カラー、87分、松竹映画。

 

 

 

 

東京・新宿署の刑事、原田(高橋英樹)は、たった一人の妹・典子(秋吉久美子)と都会の片隅のアパートで暮らしている。

青森から兄妹は孤児同然で上京して来たのだった。

 

そんなある日、原田は妹の典子が新宿のチンピラ、吉浦(下條アトム)と付き合っていることを知る。

吉浦はトルコ嬢のトシ子(伊佐山ひろ子)のヒモで遊び人である。

 

典子に問い詰めると、真面目に通っているはずの洋裁学院を辞め、今はスナックで働いている。

原田の心配をよそに反抗する典子。

捨てられた金持ち息子の中川(松橋登)に復讐するため、ヤクザの吉浦を利用したと言う。

 

そして間もなく、吉浦が殺される事件が発生。

殺害現場には典子が中川からもらったネックレスが落ちていた。

 

このままでは、たった一人の妹に、兄は手錠をかけなければならない。

 

新宿警察署から柴崎捜査課長(稲葉義男)以下、ベテラン刑事が動員された。

 

容疑者として典子、トルコ嬢のトシ子

 

及び、吉浦に脅迫されていた中川が捜査線上に浮かんだ。

 

事件が進展すると、居酒屋「ひさご」で原田を心配する先輩刑事井島(鈴木瑞穂)。

 

兄妹の感情の亀裂も深くなっていく。

 

疲れきった原田が求めるのは、居酒屋「ひさご」の民江(池波志乃)の胸の中だった。

超大作「砂の器」のベストスタッフによる、野村芳太郎監督の小品「昭和枯れすすき」の世界も魅力的。

結末はDVDでお楽しみください。

おうち時間にお薦めです。

<秋吉久美子・川又昂キャメラマン・野村芳太郎監督・髙橋英樹>

 

「昭和枯れすすき」予告編

https://www.youtube.com/watch?v=DXwSCjvIQt8