経済物理学という分野の学問があることを知り、海外の研究者の論文を読みました。

そこで、自分なりに株価チャートの分析について、物理学がどのように活かせるのかを考えてみました。

 

  1.はじめに

株式市場の動きは物理的な現象によって左右されるものではなく、物理法則の適用が難しいことは認識しています。
また、株価チャートの動きの予測も同様に困難です。
しかし、経済物理学の研究が世界各国で進められていることから、物理学の観点から株価チャートの動きを分析できる法則があるのではないかと考えました。

株価チャートは価格と時間の2つの要素からなるグラフであり、一般的に投資家が活用しているテクニカル手法もそれらの関係性を捉えるための手段です。
そこで、株価チャートを構成する価格と時間を捉える新たな手段として、経済物理学に高い可能性を感じています。

 

  2.物理学の観点

まずは経済物理学で取り上げられている要素について、その活用方法を考えてみます。
多くの論文でさまざまな要素が挙げられていますが、私はフラクタル構造、カオス理論、一般相対性理論に注目しました。

・フラクタル構造
他の論文でも株価チャートの動きにフラクタル性があることが示されています。私自身、株価チャートの動きをパターン化しながら分析する中で同様のことを感じています。そこで、株価チャートをどのようにパターン化するべきかを考えてみました。

・カオス理論
株価チャートの動きにおいて、小さな誤差やイレギュラーが後々大きな影響を及ぼす事例も確認しています。具体的には、暴落と表現されるマーケットクラッシュの動きが突然発生するのではなく、小さな時間足における小規模な暴落が徐々に大きな動きになる現象を確認しています。

・一般相対性理論
一般相対性理論の重力の概念を株価チャートに適用することは難しいですが、時間の要素については共通して活用できると考えています。特に、株価チャートの時間的な歪み、つまり早すぎる変化や長すぎる横ばいの局面において、一般相対性理論の重力を質量と解釈し、出来高による質量と時間的な歪みの関係性について研究を深めたいと考えています。
 

 

 

  3.テクニカル分析の観点

物理学における各手法について、株価チャートにおけるテクニカル分析に次のように落とし込んでいきたいと考えています。

・エリオット波動
株価チャートの動きをパターン化して捉えるという手法であり、フラクタル構造の概念を取り入れている手法です。小さな時間足での動きから、大きな時間足での動きを想定することで、将来的な進み方を予想します。

・サイクル理論
エリオット波動と同様、チャートの動きをパターン化できる手法であり、株価チャートの横軸である時間に注目した手法です。より正確なパターンを計測する手法として活用します。

・フィボナッチ
株価チャート分析に加えて、自然界や物理学のモデルとしてもフィボナッチが活用されていることから、チャートの動きのパターンモデルの作成に活用します。
 

  4.結論

上記のとおり、物理学で活用されている理論を投資におけるテクニカル手法に置き換え、物理学と経済学の両面から株価の動きを捉えることが可能です。

具体的には、株価チャートをより客観的かつシンプルな形として捉えるために、サイクル理論を基にしたパターンに分類します。
この際に、エリオット波動における推進波、修正波の役割にあたる部分の比率がフィボナッチになるように分類します。

このようにパターン化することで、株価チャートにおけるフラクタル構造の特徴を解析することが可能になります。
しかしながら、チャートの動きが綺麗なパターンを描かずに歪んでしまう動きも発生します。
このようなイレギュラーが生じる原因として、株価が変動するエネルギーである出来高による質量的な歪みの特徴を一般相対性理論の観点から分析していきます。

なお、発生したイレギュラーについて、小さなイレギュラーが大きなイレギュラーを引き起こすきっかけになるケースも確認していますので、カオス理論の要素として併せて研究していきます。



 

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