初代がホールデビューしたのは、1996年。
その頃のホールは、ユニバーサルを一躍業界大手に伸し上げたと言っていい名機「クランキーコンドル」をはじめとする「技術介入」の全盛期。(※1)
その台は、時代に乗り遅れた台だった。
しかし、時を経ても変わらぬコンセプト。
完全告知台ゆえのシンプルさは、時代を経るとともに評価を上げ、5号機全盛の今に至って、唯一無二の存在感を放っている。
出目がどうであれ、告知ランプが光ればボーナス。
このシンプルさは、そのまま「オンリーワン」である事の証となった。
超絶技巧を要する技術介入で打てば、設定1から機械割100%を越える。(※2)
しかし・・・この台には、そんなギスギスした打ち方は似合わない。
10年以上変わらぬコンセプトを持ち続けたのは、既に「偉業」と言っていい。
「ジャグラー」
老いも若きも虜にした、完全告知の代名詞だ。
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4号機の撤廃が決まってなお、稼働が良かった台。
確かに北斗、吉宗は筆頭だったが、それ以上にどこのホールでも客が多かったのがジャグラーだった。
4号機最終版「ファイナルジャグラー」、そして「GOGOジャグラーV」がほとんどのホールで設置されていた。
しかし、やはり最後を締めくくる相手は初代でなければ・・・
そんな思いで、俺は都内の某所へ向かった。
懐かしの4号機や3号機に混じって、初代は1台だけ、ひっそりと佇んでいた。
パネルは色褪せ、使い勝手の悪かったBETボタン(※3)もそのままに。
今日は何も考えず、ただひたすらネジ切るのみ・・・そんな感じで初代と過ごそう。
リールの回る感じが、いかにもレトロ台だった。
代名詞であるピエロ(※4)も、ぼんやり薄らいで見えにくい。
しかし、そもそもベルやピエロを完全に取り切るフル攻略は、経験上この台では「トータルでマイナス」な打ち方だと俺は思っていた。
小役カウンターでの補正は、そのほとんどをブドウが担っているので、小役高確率状態は初心者でもわかりやすいし、そもそも取りこぼしによるコインロスの影響が、同時期にもてはやされたパルサーシリーズや後の花火シリーズに比べたら微々たるものでしかなかったからだ。(※5)
そんな事を考えつつ回していると、投資3千円を越えた辺りで左リールの下段にBARが止まった(※6)
ハサミ打ってみると、リプレイを否定。
シビアに目押しはしていなかったが、多分・・・
中リールを止めて、ボタンをしばらく押したまま。
この時間の「まったり加減」・・・これこそがジャグラーの楽しみ所だろうと思う。
指を離すと・・・リール枠下で「GOGO」の文字が光った。(※7)
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冒頭でも書いたが、この台は本当に「不遇な時代」に登場した。
売りである完全告知は、その当時は既に「時代遅れ」の烙印を押され、ホールでは全リール目押しを必要とする技術介入全盛期。
更には裏モノ、モーニングの全盛期でもあり、この初代は最大の楽しみ所である「GOGOランプ」の断線を余儀なくされた悲しい過去を持っている(※8)
「クリエーター7」「サーカス3」(※9)と言った、北電子の4号機前半を支えた名機が作り出したレールを確実に登りつめて来たものの、時代に流されそうになりながら耐えてきた。
俺はジャグラーの中に、そんな不遇な時を乗り越えた強さを感じていた。
既に5号機での発売も決まっていた。
きっと・・・この台はいつまでも時代に流されず、そのスタンスを通し続けるのだろう。
そんな事を思いながら打っていると、不意にGOGOランプが光る。
前回からわずか7G目・・・
これだからジャグラーは止められない(※10)
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結局、その日はわずかな負けで終わった。
特筆すべき見せ場もなく、しかしながら、シンプルなゲーム性の原点をしっかりと見せ付けられた。
きっと、ジャグラーほど「オカルトめいた」攻略法が世間に蔓延した台は他にないだろう。(※11)
コントロール方式(※12)の真髄を、ある意味で極限まで高めた功績は大きく、そしてその努力を微塵も見せないバランスの取れた台だろうと思う。
スロットにおいて、出目を追求する楽しみは奥が深く、そして楽しい。
しかし、シンプルなゲーム性もまた、スロットの一つの娯楽のカテゴリーとして認識させられた台。
俺にとっては、ジャグラーはまさにそんな台だった。
5号機新時代。
そんなキャッチフレーズの中、今また時代は「一撃大量獲得」の台が現れ始めた。
ART機種が台頭し、打ち手の引きが一日の大半の流れを左右する時代が再びやってこようとしている。
かつての名機の名を冠した台が、次々とその流れに乗って出てくる。
古い時代を懐かしむだけが良いわけではないが、一抹の寂しさは隠せない。
しかし、ジャグラーだけはきっと・・・
いつまでも変わらないだろう。
(続く)
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【今日のおさらい】
(※1)4号機前半の技術介入全盛期
ちょうどこの頃、クランキーコンドルにおいての「小役回収によるフル攻略」やボーナス中の「リプレイハズシ」による獲得枚数アップが認知度を高め、他メーカーの台も巻き込んでの一大ムーブメントとなっていたんですね。一応、ジャグラーにもちゃんとリプレイハズシ手順があったのですが、コンドルに比べて攻略効果が低かった為、雑誌などでも「特にやる必要はない」程度の扱いだった訳です。しかし、実際にはブドウの引きが良ければ、完全フリー消化に比べて最大+30枚程度は楽勝で稼げたので、言われるほど「無駄な努力」ではなかったんですけどねぇ・・・やってた人は少なかったかな?(苦笑)
(※2)ジャグラーの通常時フル攻略手順
オーソドックスな手順は、左リールのBAR絵柄を中段にビタ押し。そこからの流れは複雑怪奇(笑)なのですが
1)左中段BAR停止
右リールに「ピエロ・ベル」を狙い、テンパイした絵柄を中リールで狙う
2)左下段BAR停止
後に述べる「灼熱停止目」なので、何をどう狙うかは打ち手の好き好きです。ただし、目押しがアバウトだとここからピエロが揃う事がままありましたね。
3)それ以外の停止形
まぁ・・・適当に打てばいいです(爆)
ちなみに労力に見合った収支が出るのは、経験上ですがトータルで3000G程度からかなぁ?
小役カウンターの補正が適度に効くので、実はベルやピエロをフル攻略する手間を考えると、設定が良ければ良いほど時間効率が落ちるんですよね。
(※3)初代のBETボタン
記憶が確かなら、まだ3号機みたいなBETだったんですよね・・・初代は。だから、MAXBETみたいに叩いても1枚掛けになっちゃったりしてたもんな(笑)しかも、台の状態によっては反応悪くて、3BETするのに5,6回叩いたりしてたような気がしますww
(※4)ピエロにまつわるウンチク
ちょっと詳しい人なら知っている話だろうけど、実は「ジャグラー」という名称は、発売前に急遽付けられた名前で、開発段階では「ピエロ」って名称で発売される予定だったんですよ。ところがその当時「ピエロ」って名前を商標登録していたメーカーがありましてねぇ・・・他ならぬ「アルゼ」なんですが(苦笑)それで困った北電子は、ピエロから連想される「曲芸師」から「ジャグリング」、そして「ジャグラー」となった訳です。ちなみに、ジャグラーの大ヒットに伴い、逆に5号機時代になってからアルゼが北電子に許可を得て「バーグラー」を発売した、なんて話もあります(笑)
(※5)ジャグラーの小役補正
実はベルやピエロの確率は小役状態の高低に関わらず、ブドウの確率の遥か下を行っています。なので、ジャグラーでは小役高確率になるとチェリーとブドウがバカみたいに出だすし、逆に小役低確率ではリプレイすら満足に揃わない(苦笑・・・そんな訳はないんだけどね)・・・そんな感じでしたね。ただ、4号機後半になって閉店間際の小役状態リセットを使った設定変更判別なんかが流行り出したりしましたが、効果はそうでもなかった気がしますよ・・・だってジャグラーだもん(爆)
(※6)左リール「BAR」停止
ジャグラーを打ち込んだ人なら、この出目が出たら「とりあえずトイレへ」行った人も多いでしょうね(笑)左BAR中段ビタ押しが正確なら、下段BAR停止は「ほぼリプレイ又はボーナス」の灼熱目。これはコントロール方式のジャグラーの中でも、極めて不可解な法則で、何がどうしてこの出目なのか?いまだに疑問なんですが(苦笑)、確かにボーナス直撃の時には1コマスベリは多発しますねぇ・・・逆にこの停止形の時は、右リールは何故かビタ停止が多発するし・・・ま、ジャグラーで制御を云々するのは野暮なんですけど(爆)
(※7)GOGOランプ
ジャグラーと言えば、やっぱりGOGOランプ。名前の由来は当時の「ジュリアナ東京」に由来し、扇子を持って踊るお姉さんを「イケイケ」と呼んでいたので、その「イケイケ」を英語にすると「GOGO」だから・・・本当かどうかは知らないけど、北電子でもそう言ってたんじゃなかったかな?(笑)ちなみに発売当初、第三停止時に「指を離した瞬間にボーナス抽選」って話がありました。でもねぇ・・・後の「ジャグラーV」とかで先告知が出たのを機に、この説は信頼度が激減したよねぇ(苦笑)たまにジャグラーVで先光りしているのにネジってる人とかいたし(爆)
(※8)裏モノ、モーニングとGOGOランプ
当時のモーニングは、開店1G目にボーナスが当選している事が多かったんだけど、これ、ジャグラーでは使えないんだよね(苦笑)なので、ホールの苦肉の策でGOGOランプを断線させていたんだけど、営業中に台の状態変更が出来ない縛りもあって、モーニングの当たってるジャグラーは、丸一日ランプが点かない・・・そんな悲惨な事もあったんですよ。ちなみに裏モノの世界でもジャグラーはTOPブランドで、特にジャグラーの聖地として名高い札幌市内では、同じ営業区域で複数のバージョンが混在するほどの「裏モノ天国」だった時代があります。一日でBRあわせて100ペカしたジャグラーもザラにあったもんな・・・あの頃は凄かったねぇ。
(※9)「クリエーター7」「サーカス3」
どちらも4号機前半の北電子を支えた完全告知の名機。「クリエーター7」は北電子が本格的に4号機に参入するきっかけになった台で、第三停止後の告知ランプ点灯はこの台から始まったんですね。そして「サーカス3」は「クリエーター7」の後を受ける形で投入され、告知ランプが「ピエロ」だったんですねぇ(苦笑)なんか「目が光る怪しい台」なんて変なレッテルも貼られましたが、この両機の流れを正当進化させる形でジャグラーはこの世に出てくる訳です。
(※10)いわゆる「北連」「ジャグ連」
それまでの4号機にも、設定に定められた確率を時として凌駕する連チャンは存在したけど、ジャグラーの連チャンは確率そのものを否定するかの如くに打ち手を魅了しましたね。最初にそこに目を付けたのが「パチスロ必勝ガイド」での「北電子独自の乱数生成方式」って記事でした。内容は忘れちゃったけど、確かにそうでも考えないとあり得ないような連チャンが、ジャグラーでは起こりましたね。だから逆に言えば、裏モノが見分けにくい代表格としても、ジャグラーは有名になったんだけど、現在の5号機である「I’mジャグラー」にも既に多くの裏モノが蔓延していますのでね・・・打つ時は注意してね(笑)
(※11)ジャグラーにおけるオカルト・アラカルト
まぁ・・・枚挙に暇がないほど、ジャグラーに関してのオカルトは多いですよね。
・ボーナス終了後の1G目の空回し
・第三停止後、ボタンを押して30秒待つ
・先光りボーナス後の100G抜けはハマリのサイン(笑)
・「BAR」揃いより「7揃い」の方が連チャンしやすい
・300Gを越えたらチャンスゾーン(ゲーム数には複数の説ありww)
・・・まぁ・・・完全確率だからさ(苦笑)でも、こんなオカルトも交えて本気で語れる台なんて、ジャグラー以外には見当たらないのも事実だろうしね。これって、実はスゴイ事だと思わないですか?
(※12)コントロール方式とテーブル方式
現在のパチスロのリール制御は、そのほとんどが「テーブル方式」で、内部成立したフラグに対して各リールで複数の停止制御命令を持っている為、複数の出目によるフラグ告知が可能であり、リーチ目の数も膨大になります。対するコントロール方式は、ボーナスフラグが成立した場合に4コマまでの制御引き込みを積極的にかける特徴がある為、スベリによるフラグ告知が可能となる反面、リーチ目が出にくく初心者にはわかりにくい制御だったんだけど、ジャグラーはこれに「GOGOランプ」を搭載する事で、見事にこの不満点を解消した訳ですよ。まぁ、コントロール方式とテーブル方式については、語り出すと止まらなくなるので、いつか日を改めて、ね(笑)
