第14話~勝敗~ | 「sabishigariya」

第14話~勝敗~

「もうアカンか・・・」そんな風にベンチから見ていた。


相手の1年生は、2投目の前に、手を左右に大きく伸ばし、身体を左右に捻り軽い体操をした。



無音ー



ベンチからは、コートの選手が息をきらしているのが、聞こえる程やった。



「ワンショット!!」


審判のその一声で、無音の状態が終わり、いよいよ2投目ー


「だんっだんっ」


ドリブルをつき、シュートモーションに入った。



「あっ・・・」


ボールはまっすぐに飛んでいた。



「がんっ!」


「落ちた!」



「ぱさっ」


ボールはリング上で一度バウンドし、リングの中に吸い込まれていった。


しかし、入ると同時に、長田さんから、パスが出た。


キャプテンへボールが渡り、キャプテンはすぐさま、前方へボールを投げた。


「えっ?」



立川先輩やった。


「ぱしっ」


3ポイントシュートー


「パシュッ」


完璧のシュートやった。


相手チームのフリースローに全注目が集まる中、立川先輩は、シュートが入ったと同時に、


走っていた。


それを、キャプテンは見逃してなかった。


残り6秒55 87-85


第4Qのため、時計が止まっている。


相手からのスローインー


むろん、うちのチームは前からディフェンスしていた。


ボールを出させないよう、スローイナーには、2人がかりでパスコースを塞いどった。



「ばしっ」


「あいたっ」


相手は、立川先輩の足にボールを当て、もう一度スローインの権利を獲得しよった。


「1番!1番!」



相手が叫ぶ。※ナンバープレイやな。※番号を決めて、チームで決めた動きすること。


ボールが相手に渡った。


「やばいっ!ファールしろ!西本!」


「アカン・・・おいつかへん」


相手チームは、前方の味方へパスする。


長田さんが、ファールしにいこうと、した時やった。


「ビーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


「試合終了!」