第8話~弱点~
「まだ、いける」
点差を10点台にしたことで、うちのチーム全員が、そう思っていた。
「立川カット!」
「オッケ、こっちパスちょーだい!」」
「ダンダンっ」
「ぱさっ」
オールコートディフェンスで、プレッシャーを与え、立川先輩がパスカット、それがまたもや西川先輩に
ボールが渡り、シュートが決まった。」
「西川!西川!」
もはや、4Qは西川先輩の独壇場になっていた。
でもオレは、「なんで2、3Q西川先輩使わへんかったんやろか」と、ふと思った。
「オッケ、ボールとった!!」
「ハイっ!パスちょーだい!」
「ぱさっ」
また、西川先輩の得点。
残り6分50秒 78-65
ここで、相手チームがタイムアウトをとった。
「よっしゃ!いける!このままいったら、勝てるで!」とキャプテンが言う。
「長田、もうちょいプレッシャーかけれへん?パスコース完璧になくしてもて、もっと前の方でボール
とりたいんやけどな。したら、すぐ2点とれるやん。」
「うーん、そうやなぁ。ただ、気持ち前に前に行きすぎると、パス1本で、シュート決められるからさ、
それにも注意せなアカンで?」
「オッケー」
「とりあえず、ディフェンス今のままで!絶対逆転するで!」
「1,2,3,おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉし!!!」
タイムアウト後・・・
「ボールとった!!」
「ハイっ!パス!」
またしても、西本先輩にボールが渡る。
そして、またしても鮮やかに相手を抜きさり、シュートにいこうとした瞬間
「ドンっ」
「ピーーーー!オフェンスファール、青7番(西本先輩の背番号)トータル2回目です。」
相手は、西本先輩がドリブルで入ってくるのを見越していた。
その後、相手の攻撃を守りきるも、こちらの攻撃も決まらなくなってきていた。
西本先輩をが徹底マークされており、なおかつ相手は、西本先輩がパスを出さないことを見抜いていた。
「西本、外出せ!」
しかし、西本先輩は強引にシュートに持っていく。
「ガンっ」
体勢の悪いシュートは、当然のことながら、リングの中には入らずにいた。
「ガンっ」
「ガンっ」
「そうか、せやから西本先輩はスタメンでも途中で交代になるんか。」
いくら、オフェンス力があっても、バスケットボールは一人では勝てない。
西本先輩のリズムは崩れていき、とうとう※フリーのシュートまで外すようになっていた。※ノーマークの状態
「これが、彼の弱点やね。」と、相手チームキャプテンが言った。
残り4分57秒 82-67