手術が来週に迫りました。同じ手術を経験された先輩がたのブログを読み返し、不安定な気持ちを落ち着かせています。手術前で立て込み、コメントの返信が遅れるかもしれません。お許しください。

 

癌と診断されて、今の病院に転院したのが7月はじめ。職場の健康診断で見つかった癌だったので自覚症状がなく、病識が薄く、私は癌患者として未熟だったと思います。

 

全摘手術を勧められても、決心できませんでした。温存を求めてセカンドオピニオン、サードオピニオンに行き、治療を急ぐ主治医といろいろありました。

 

先日、がん相談支援センターの看護師さんと話したとき、「そういう場合、患者さんが病院から離れるか、医者が患者を受け入れないこともあるけれど。あなたは戻り、先生はその都度受け入れている。珍しいケースだと思う」と感心されました。


 

主治医から膀胱全摘と抗がん剤の治験を勧められ、「セカンドオピニオンで時間を無駄にしてはいけない」、「癌治療は時間との勝負です」、「癌で手術ができるのは早期だけです。時期を逃すと手術できなくなる」、「癌で手術できるのはラッキーなことです」、「12月の手術予定日は貴重です」と時間をかけて説得されました。

 

いま思うと、主治医の言葉は、どれも正しかったと思います。

 

主治医は、若く熱血。頭の回転が速く、話の結論だけ話す。即問即答を求める。私の理解は追いつきませんでした。

 

8月、内視鏡手術の後、主治医は、全摘手術の決心がつかない私に困り果てて、「僕たちは、あなたの命を助けたい」と言って黙りました。

 

私は決心できず、大阪へ温存のセカンドオピニオンに行ってしまいました。

 

その後、私は体調を崩して大阪から戻り、主治医は私を受け入れて、白血球が下がった原因を胃薬の副作用と特定してくれました。

 

入院中も温存療法のサードオピニオン先を探す私に、主治医は「僕の治療スケジュールを壊さないでください」、「どうするのですか? 手術ができなくなっても自己責任ですからね」と厳しかったのですが、サードオピニオン先が決まると、すぐ診療情報を出してくれました。

 

私がサードオピニオンから戻り、治療を継続する旨の連絡を入れると、「よかった。手術が一番いいと僕たちはずっと思っていました。一つ一つ乗り越えて、一緒に病気を治していきましょう」と言い、抗がん剤や手術の予約を押さえてくれました。

 

主治医は「全摘手術をしても、半分は癌が再発します」と言います。最初から、再発のリスクを下げることを見据え、抗がん剤や手術を急いでいたと思います。

 

いっぽうの私は、手術が怖かったり、ストーマを受け入れられなかったり。本当に怖いのは手術やストーマではなく、術後の再発で、それには全摘手術が有利なこと、治療を急がないといけないこと。それらを理解できたのは、手術の一か月前でした。

 

主治医は、手術の決心ができないままの私を受け入れ、スケジュールを崩さず治療を続けて、当初の予定どおり12月の手術を組んでくれました。手術は来週ですが、主治医には、もう何度も命を助けてもらったと思います。

 

ブログで「手術が怖い」という私を受けとめてくださったみなさんのおかげで、主治医が心配した「心変わりして、手術をキャンセルしないでください」という事態にならず、手術の日を迎えられそうです。

 

術後に回復して元気になって、よいご報告ができたらと思います。

本当にありがとうございました。

 

夏、あちこち彷徨っていました