主治医から「手術の説明」を聞いて、いろいろ怖かったのですが、みなさんの温かい励ましで、気持ちは落ち着いてきました。

 

落ち着いてみると、自分の受ける手術の大枠は理解できているつもりですが、デリケートでプライべートなところは、説明はなかったし、質問する時間がなかったし、自分もわかっていないことに気づきました。

 

どの臓器を摘出するかはわかりました。癌の再発率を下げるために、膀胱に近い骨盤内の臓器を一緒に摘出する、というのは、理解できました。では、その近くにある女性器はどうなるのか、等々。

 

命と比べたら、どうでもいい、といえば、どうでもいいのですが。でも、手術後に初めて知って驚くより、手術前に聞いて心の準備をしたほうがよいと思いました。

 

手術の説明のあと、「手術のことで気になることがあったら、いつでも聞いてください。でも、追加で質問する人は、いないですが」と主治医は言いました。

 

それで、がん相談支援センターの看護師さんに電話で聞いてみました。「手術のこんなことが気になるのですが」と。看護師さんが疑問に答えてくださったら、それでよかったのですが。

 

「気になることは、医師に聞いたほうがいい。細かい術式のことは、主治医がよく知っている。セクシュアリティの問題は、大事なことです」と看護師さん。

 

膀胱癌は泌尿器科の病気なので、普段の検査も説明も、赤裸々というか、たぶんその中にあって、私の主治医の検査は、かなりオープンだと思いますが、それはいいとして。でも、若い男性主治医に、自分から性的なことを聞くのは、ちょっと聞きにくい。そもそも人前で女性器の名前を口に出して言ったこともないような。自分の体なのに。自分はつくづく昭和の女だなあ、と思います。

 

でも気になるので、主治医に聞いてみました。

主治医は、当たり前ですが、いつも通り泌尿器科医として、明確に説明してくれました。

手術前に聞けてよかったです。


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私が受けるのは癌の手術なので、根治を目指して、再発率を下げることを優先して、大きく切除して全摘する。そういう医師の方針もわかります。

 

いっぽうで、おそらく医療の世界は男性社会で、その中にあって、中高年女性のセクシュアリティが意識されることは、あまりないのではと思いました。

 

もちろん、何が気になるかは個人的な問題だと思います。気にしない人もいると思います。気になる人は、聞いていいと思いました。

 

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私の受ける手術で体がいちばん変わるのは、ストーマだと思います。

 

ストーマについて主治医は説明せず、手術の説明のとき、「見たことないですか。こんな感じ」と、自分のスマホで検索した画像を私の前にちらっと見せ、すぐひっこめました。

 

「術後のことは術後に考えましょう。一つずつ乗り越えていきましょう」と。「外から見てもわかりませんが、ストーマの人はこの待合室にもたくさんいます。ストーマの管理はそんなに難しくない」と。命と比べたら、ストーマは大きな問題ではない、という感じでした。

 

ストーマを受け入られるか、術後の私の課題だと思います。

 

今回のことを相談した友人からメールをもらいました。

 

「形が変わっても自分は自分、と思えるならよいのではないでしょうか。術後も、自分の体を愛してあげてください」

 

 

中杉通りのけやき並木。夏は緑。秋は黄。季節の移る速さを感じます