今日は私が20歳を迎えた日に

母からもらった手紙を

10数年ぶりに開いた


その手紙は

「若い木 涼子へ」という

杉浦ひとみさんの詩で締めくくられていた



なぜ急にその手紙を読み返したくなったのか



それは今朝のこと



娘を幼稚園に送り

家に帰っていると

泣きながら歩いている女の子とすれ違った



近くにある中学校の制服を着て

学校とは反対のほうに歩いて行った

時刻は10時すぎ


私は車を運転していたので

ほんの一瞬の出来事



何があったかはわからないけど

今日は一日

その女の子のことを考えてしまう



そして

それと同時に

妹の泣き顔を思い出す




私の父は証券会社に勤めていた為

転勤族だった

小学生を3校、中学校は2校通った



転校先の中学校に通い始めて数日後

休み時間だったと思う


教室の入り口に妹が立っていた

顔を真っ赤にして泣いていた



「いやなことをされる…」と

そのようなことを言ったと思う



私はすぐに妹のクラスに向かった

嫌がらせをしてくる男の子の目の前まで行き

何もしないように伝えた


それでも

いやがらせは2.3ヶ月続いた



妹はその頃毎日泣いていた



妹のクラスに突入した日から

私はなぜかその階を出禁になった


それでももっと

違う方法で守ってあげられたんじゃないかと

今でも思う



私は私で

卒業を間近に迎え

団結していく雰囲気の中

溶け込むのに必死だったのかもしれない


覚えたての校歌を歌った卒業式


一番に門を飛び出して帰った

思い出なんて何もなかった



今日久しぶりに妹とその頃の話をして

気付いたら2人で涙ぐみ

笑った



色々辛いことも多かったけど

この子達に出会えたから

全てが報われたね



そしてまた

泣いていた女の子のことを思い出す





これから我が子も色々なことを

経験するだろう


この笑顔をずっとずっと守っていきたい

そう願うけれど


巣立つ時には

そっと背中を押してあげよう




「若い木 涼子へ」    杉浦 ひとみ


旅立つ貴方に何が言える

虫食い葉を持たぬ樹は無い

折れ枝を持たぬ樹も無い

そんな大樹は存在しない


傷ついて泣いた時 命の根がのびる

そう言えばいいのですか

でも風をあてぬように

虫一匹近づけぬように

貴方を大切に見守ってきた


今貴方は私を超えた

私の手の中よりも

自分の夢に伸びゆく若木だ


貴方よ大樹になれと願う

そう願いつつも

虫よ葉を喰うな

風よ枝を折るなと願う

そんなふうに愚かに

眩しげに見続けるだけです




(出会った頃)



子供が20歳になったら

私もこの詩を2人に贈りたい



ままとぱぱは


いつまでも

あなたのみかただよ