5月22日月曜日
白血球の数値が無事に上がり
延期になっていた
抗がん剤の2クール目が始まった
ちょうどこの日
面会が可能になったと連絡があった
週に1度のみ
15分
この頃から食事が出る
「晩飯
汁、汁、豆腐、お粥、可哀想やろ。」と
しんさん
5月25日木曜日
抗がん剤の副作用がキツくなる前に
初めての面会に行った
(入院してから32日目。)
「何も考えないようにして、生きてる。」と
しんさんは言った
周りには4、5組の面会者がいた
みんな小さな声で話し
空気も重かった
窓を大きく開けて
空気を入れ替え
明るい壁紙に
たくさんのお花
パフォーマーや演奏者を呼び
今いる人たちがマスクをせずに
拍手しながら笑ってる映像が頭の中を流れた
そしたら
癌も小さくなったりして…
ここから
しんさんを連れ出したい衝動に駆られた
15分経ち
タイマーの音が会話を遮った
なんだか私たちには不自然で
虚しかった
抗がん剤2クール目は
副作用が軽く
高熱も吐き気もなかった
翌週は
カップラーメンのリクエストがあり
しんさんのお母さんが面会に行ってくれた
「やっぱ旨いや」と
珍しく顔文字が届いて
少しだけ笑った
しんさんが喜んでると思ったら
わたしも嬉しかった