どうしようもなく臆病な僕は、変わったことや新しいことを始めるのに毎度々々思い悩み、始めたら始めたで、自信がないから行動に移せず、人に聞くこともできないから身勝手に動き、そこで人に怒られ、またヘコむ。そのようなことを何度も繰り返していくのは、小心者の性です。


昨年10月に発売された、国民的アイドルグループ・AKB48の18枚目のシングル「Beginner」は、発売初週で82.7万枚を売り上げ、翌年1月にはグループ初のミリオンを達成した、名実ともに、彼女たちの代表曲となったうちの一つです。

17歳というアイドルにハマる年齢には申し分のない僕も、もちろんこのシングルを手に入れました。

個人的な話ですが、僕がAKB48を好きになったきっかけは、「Beginner」が発売したのと同じ年、2010年の6月に行われた「第2回選抜総選挙」だと思います。

ワイドショーで紹介されたイベントの様子を見たのを期に、その後に控えていた夏休みの間に、僕はAKB48の5年分の軌跡を少しも見逃すまいと、彼女たちに関してかなりの情報量を頭に叩き込みました。完全なる熱狂的ファンに仕上がってしまったわけです。

そして、丁度良いタイミングで、総選挙後初のシングル「ヘビーローテーション」なるCDが発売されるという報せを聞きつけ、僕はTSUTAYAに足を向けていました。これが、AKB48の中で最初に買ったCDです。

そんな「ヘビーローテーション」とは打って変わって、若者たちに、初心者である大切さを訴えかけたメッセージソングが、この「Beginner」でした。

この歌を耳にした僕は、今まで自分が作ってきた既成概念を真っ向から打ち破られた気がしました。何ヶ月もかけ、その歌詞を何度も眺めていると、さらに詞の意味が伝わってきて、ますます心に沁みてきます。


「In your position set!」

と、力強く言い放ったあとの歌い出し。

「昨日までの経験とか/知識なんか荷物なだけ」

この言葉が「Beginner」のすべてなのではないかと思っています。


6時半に起きて8時までに教室へ入り、下校のチャイムが耳に入ると片づけをして家路に着く。毎日定刻どおり動くのは変わりませんが、それでも、やはり、何かと一日々々は違います。まったく同じパスワードで日々を過ごすことなど無理なのだなと再確認させられました。

この歌で感じることができたのは英語の”Beginner”と、日本語の”初心者”では、その言葉の持つニュアンスが大きく違ってくることです。

英和辞典でBeginnerを引いてみますと、<初学者,初心者>とでてきます。どちらかというと前者の方かもしれません。一方、日本語の初心者は、読んで字のごとく”初心”という言葉が入っていて、何かこの単語の奥深さを感じました。


「子どものようにまっさらに・・・/支配された鎖を引きちぎろう」

ここで出てくる”鎖”とは、「他人(ひと)の地図」のことだと思います。

僕はこの地図を広げる癖があるばかりに、成功した他人を意識し、それと同じ道を進みたいと思い、そのとおりにいくか心配になって、初心者として行動することを恐れていました。

「近づこうとすればするほど遠くなっていく」というようなセリフを何かの漫画で見たような気がします。まさにそれと同じなのです。


遅ればせながらようやくそれに気づいた僕は、昨日までの経験とか知識なんか荷物なだけ、と吹っ切れて、新しい道を探すことにしました。



ジョン・レノンのイマジンについて書こうと思ったら、誤操作でそれまでの全部消しちゃった・・・