TVドラマ「燕は戻ってこない」の録画をようやく視聴。原作を読んだのが随分前なので、ラストはどうするのか、脚本で変えちゃうかなと考えていたが、同じ内容だった。
桐野夏生先生の本は、地方紙で連載していた「とめどなく囁く」以来、新刊は読むようにしている。どの本も面白いですね。まだ、固め読みするまでには至ってないが。どの本も面白いということが分かっている作家さん。
自分は四半世紀以上前に派遣を辞めた身だが、つわりの頃にお姑(黒木瞳)とリキ(石橋静河)が対峙する場面が印象的だった。特に、お姑が通帳を盗みする場面、手取り14万ほどで、今もフルタイム派遣でこんなのか、とため息をつく。
派遣を辞めた頃は、税引き後で20万そこそこ。それでも家賃に7万を払っていてカツカツだった。スーパーの衣服売り場のような服を着て、都心を歩いていた私も、きっと職場の自宅通勤の女子たちに後ろ指を指されていたんだろうな。黒木のように、「ゴミよ、あんなの。住む世界が違うの」だったろうな。
さらに、97年の春にフリーランスになるために、派遣会社に契約更新しないことを告げると、ちょうど良かったようなことを言われた。なんでも、私のようなフルタイムは厚生年金の対象になるとかで、誰が年金を負担するか問題だったとか。その時は、フリーランスになるので、聞き流していたが。
多分、あのままフルタイムで働いていたら、厚生年金分は全て派遣員負担で、手取り14万ぐらいに下がっていただろうなと思う。それ以前に、35歳以上のフルタイム派遣先が見つからなかっただろうし。
まあ、厚生年金を重視していたら頑張っていたかもしれないが、そこがサラリーマンの娘じゃない自分は、フリーランスでそれ以上に稼いでやるなんて、思っていたりして。甘かった。