センターのなるちゃんが、すぐに三塁に送球したが、
球はレフト方向にそれ、
ショートのおぐっちゃんがその球を捕るのが精一杯だ。
ザーザーッ!
「セーフ!」
二塁ランナーは三塁に滑り込み、タッチアップを許してしまった。
げど、三冠王は打ち取った。
て、ゆうか、打ち損じてもらったのだが・・・
「OK!ツーアウト!ツーアウト~!」
と、バックに声を掛けながら、自分自身に気合を入れ直した。
そして、次のバッターは、
三冠王同様毎年リーグの打率10傑の上位に
名前が載る王者の主将で4番だ。
「はい!強い打球行くよ~!」
と、つるちゃんが叫んだ。
「このバッター、気をつけろよ!」の合図だ。
さて、右打者の4番への初球は?
要求は、アウトロー、ストレート!
「OK!」
三塁ランナーを睨み付け、
セットポジションに。
そして、投げた初球!
「やべっ!」・・・
「ストライ~ク!」
「ふ~っ・・・」
高さは膝元一杯だったが、
コースが真ん中よりだった。
見逃してくれた。
「近目の甘い高さの球を待っていたようだ・・・」
助かった・・・
かとちゃんが、無言でアウトコースに二度、
ミットを刺し示した。
「はい、はい!」右手を上げて応えた。
続く2球目。
要求は、インロー、シュート。
イメージは、右打者の膝元ぎりぎりから曲がり落ちる縦のシュート。
私は、もともとオーバースローで、
35才くらいまでは、ストレートがそこそこ早かったため、
変化球は抜いたドロ~ンとしたカーブだけだった。
40才頃になって、ストレートが少し甘いと、ガンガン打たれだしたため、
カーブの曲がりが大きくなるように、
そして、シュートも横へのスライドと縦へのスライドの2種類投げられるように、
サイドスローとスリークウオーターの中間くらいから投げ始めた。
そして、年々変化球の球種も増やし、種類も増えた。
三塁ランナーを睨み付け、
一呼吸おいて投げた2球目!
「やべっ!」
カキーン!
鋭く振り下ろされたバットが、
力んで上ずり曲がりが小さくなった球を完璧に捕らえた!
バスッ!パーッン!
投球時に構えたのまんまのサードまなぶのグラブに
ワンバウンドで収まった!
「あ~っ!」
「お~っ!」
両チームから悲鳴と歓声が響いた!
まなぶがゆっくりと一塁方向に2,3歩ステップし、
ゆっくりとした球を一塁のなべちゃんに送った。
「アウト!」
「OK!ナイスサード!」
「あっぶね~!あの打球で揚がっていたら、間違いなく狭い球場の餌食になっていたところだった・・・」
「ラッキィ~!」
一回表、何とか零点で凌いだ。
が、初回から17球も投げてしまった。
いったい、今日は何球投げることになるやら・・・